_4度目 ページ5
帰り道。海藤さんと途中まで一緒に帰り駅で別れて歩いている。携帯を開きエミさんのメールに今日大丈夫かな、と送信した。すると1分程で大丈夫ですよ、と返信が返ってきた。何となく察してまだ深く聞いてこないあたり流石エミさん。
『や、エミさん』
「今日もお疲れ様です、Aさん」
『いやいや。エミさんもお疲れ様』
エミさんは私からはビール缶とおつまみの入った袋を受け取ると準備しますね、とリビングに入って行った。
「…で、何かあったんですか？」
『いやぁ…実はさ、新しく異動して来た人がさ、ゾムだったんだよねえ…』
「え、ゾムさんが…？！だ、大丈夫ですか？」
『まあ何とか大丈夫なんだけど…』
缶ビールをぐいっ、と煽っておつまみのさきいかを1つ摘んだ。エミさんは不安そうな顔で此方を見ていた。私は缶ビールを置いて膝を抱えるようにまるくなると顔を膝に埋めた。
『正直、怖いよ。どうなるか分かんないから。逃げたいなんて、思っちゃう』
「……」
『でも、逃げちゃダメなんだ。向き合わなきゃ』
「…Aさん、」
『頑張らなくちゃね、』
顔を上げて笑顔を作るとまた缶ビールを飲んだ。エミさんは未だに不安そうな顔をしていたがワインを開けて飲んでいた。大丈夫、なんとかなるよ。
zm side
「…どうしたらええんやろ」
「いやぁ…正直厳しいな」
ザワザワとした居酒屋で逆に静かになりながら生ビールを飲んでいた。目の前に座るトントンは焼き鳥を食べながら生ビールを煽った。俺は目線を下にさげてやっぱりかあ、と呟いた。
「別れ方がなぁ…相当やから」
「あぁぁ俺なんであんなんしたんやろか…？！」
「俺はなんも言えへんなぁ」
トントンは目の下の隈を擦りながらすまんな、と眉を下げた。俺はええんや、と笑って生ビールを1口飲んで唐揚げを1つ食べた。
「(今何してるんやろか…)」
もし、今奪われたりしてたらどうしようか…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ｒ_ - 初コメ失礼します！！ とても面白くてニヤニヤしながら見させて頂いています((不審者)) 本当にこの作品大好きで…これからどうなるのか楽しみで禿げました(？) 更新頑張って下さい…！！ 無理しない程度でお願いします(((土下座))) (2020年5月11日 12時) (
レス) id: 882f22aeaa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノエル･ウィール | 作成日時：2020年4月25日 22時
