_25度目 ページ26
ニコニコと顔は笑っているが目は笑っていない。私はゾムの服を掴みながら身体を震わせていた。海藤さんは私の方を見てつまらなそうに爪を弄ると私何もしてなーいと言った。
「お前…Aが相手やって知って…」
「え？勿論。当たり前じゃない。Aさんが幸せそうに話すから〜」
__潰したくなっちゃった
跳ねるような声で言うものだからゾクゾクと恐怖心が煽られた。私は海藤さんの顔なんか見れずにゾムの背中に顔を隠していた。海藤さんは隠さないでよ〜と此方を見ようとしてきたがゾムがすっ、と隠してくれた。
「…お前…ええ加減にせえよ。」
「だから私何もしてないし！大体彼女さんがいるのに私に落とされるゾムくんもどうかと思うなあ」
「…っ」
私はふと思い少し顔を出して海藤さんをじっと見つめた。海藤さんは笑顔でん？という顔をしていたが私は恐る恐る口を開いた。
『あの…』
「なあに？Aさん！」
『今の…旦那さんは、海藤さんが愛しているから結婚したんですよね？』
「え？もちろ」
『誰かから奪って結婚しちゃった…なんて事は無いですよね？』
「………」
その瞬間海藤さんの顔が変わった。笑顔だった顔は真顔になり右手は強く握られている。私は返事が返ってくるまでじっと見つめていた。海藤さんは皮肉を込めたように笑うとそうよ、と頷いた。
「それの何が悪いのかしら。」
「お前！」
「相手が私を愛してくれたから今の現状があるんでしょう？ならいいじゃない。貴方に何か言われる筋合いは無いわ！！」
『…それで幸せですか？』
「は？」
『愛してもいない人と1つ屋根の下で暮らす。…そんなの、海藤さんは辛くないのですか？』
海藤さんが煩い！と叫ぶが私は怯まずに答えて下さいと聞いた。海藤さんは私を冷たい目で睨みながら黙っているとゆっくりと口を開いた。
「辛くないわ。私も好きになるもの。」
『…貴方は好きでもない人を"誰かから奪った"という優越感を求めて落とした。…そんな相手を好きになるでしょうか』
「…なるわよ」
『ならない。…その相手は自分の優越感を埋めるが為の人。優越感が埋まったなら好きにはなれません。』
「…るさい、煩い！」
海藤さんは叫ぶとその髪をぐしゃぐしゃと掻き回してその場にしゃがみ込んだ。私はゾムから離れて海藤さんの目の前に一緒にしゃがみ込んだ。
『(奪われたとしても…貴方は友達だから。貴方が辛いのは嫌なんです。)』
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Ｒ_ - 初コメ失礼します！！ とても面白くてニヤニヤしながら見させて頂いています((不審者)) 本当にこの作品大好きで…これからどうなるのか楽しみで禿げました(？) 更新頑張って下さい…！！ 無理しない程度でお願いします(((土下座))) (2020年5月11日 12時) (
レス) id: 882f22aeaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノエル･ウィール | 作成日時：2020年4月25日 22時
