アイドルになるその前の話。【3】

【 105 】 ページ5

A「…あ、そうだ、おかゆ作ったよ。あったかいうちに食べなよ。」



そう言った瞬間、煎じくんの顔は引きつった。



鈴奈さん言ってたなぁ…風邪ひくと食べるの嫌がるって、…これのことか。



まぁその気持ちもわかるけどさ。




A「…ごめんね！煎じくん料理うまいのに、こんな下手くそなの食べられないよね…本当にごめん！！」


私が立ち上がってお盆ごと下げようとすると、煎じくんはまずいと思ったのか、急いで言った。



煎「いやいやいや、そんなことない！！食べるって！！」



A「…本当に？」



私が振り向くと、煎じくんは超焦ってた。



お盆ごと煎じくんの膝に乗せると、




煎じくんは黙ってお粥を食べてくれた。



ずーっと煎じくんがモグモグ食べてるところ見てたら、なんか可愛いくって。



A「美味しい？」



私が聞くと、表情一つ変えずに



煎「美味しい。」といった。



いや、表情かえろよ笑。(二番煎じの食レポ参照)



モグモグと食べ進め、ありがとうと言って微笑んでくれた。



煎じくんからお盆をもらって片付けに行こうとすると、



煎「A、来てくれてありがとう。なんかこういうの…いいね笑」


煎じくんは照れ笑いをし、布団にくるまった。



なんかお礼言われただけで、きた甲斐があったなぁ。

【 106 】二番煎じside→←【 104 】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す