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煎じくんに手を引かれ、私はトボトボと足を動かした。
ゆっくりすぎるそのスピードに、煎じくんは合わせてくれる。
会場から出ると、目の前に男の人がいた。
年齢は多分…何歳か上だろう。
男「あの…」
私に向かい声を掛けてきた。
A「私…ですか？」
彼は頷き、私の目をじっと見つめる。
男「先生の…娘さんでいらっしゃいますか？」
先生、という言葉がパパを指すなんて、家では先生なんて呼んでいなかったから、気づかなかった。
煎「お父さんの…知り合いの方じゃない？」
煎じくんの言葉にハッとする。
A「父が生前お世話になった方ですか？」
すると、彼は首を大きく横に振った。
男「世話なんてとんでもない！先生は僕の恩師なんです。」
A「恩師…？」
男「僕が高校生の時、先生は担任を持ってくれていたんです。進路に迷う僕に、先生は時間をかけて何度も相談に乗ってくださったんです。」
彼の目から、ポロポロと涙が溢れていた。
男「結局総合大学に入ったので、まだ明確に将来のことが決まった訳ではないんですが、先生が言ってくれた言葉が僕は忘れられないんです。」
男「どんな仕事でもいい。だけど、人に夢を与えるような仕事を選べるといいな。って…。
僕は今、教師になろうかと思っています。先生が僕に夢を与えてくれたみたいに、僕も誰かに夢を与えたいんです。
教師になれるか、なるのかまだ決まった訳ではないんですが…どんな形でも先生のような大人になります。
先生の死はショックだったけど…僕、頑張ります。
だから、あなたも…先生が見守ってくれると思うので、頑張ってください。」
一生懸命伝えてくれた言葉に、私は涙が止まらなかった。
なぜだか、今までの悲しみが形を変えたようだった。
彼は私と煎じくんにまた何処かで、と去る。
煎「お父さんは…Aの側からいなくなった訳じゃないんだね。」
A「え…？」
煎「色んな人に夢を与えて、家族を大事にしてきたAのお父さんだから。
いろんな人の心の中にいて、きっとAのこと見ててくれる。…大丈夫、大きくなるまで見ていたいって言ってくれてたんだから。」
私は最後に、煎じくんの胸で大泣きした。
パパの死は本当に辛い。悲しい。
でもそんなこと言ってられない。
私はパパに、ずっと見守ってもらえるんだから。
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桃姫(プロフ) - 誤字すみません…。 (2016年11月22日 16時) (
レス) id: bba4690273 (このIDを非表示/違反報告)
桃姫(プロフ) - はじめまして！本当にキュンキュンするラブストーリーをありがとうございます！(？)更新楽しみにしてますね！ちなみな、牡丹の花も読ませて頂いてます！ (2016年11月22日 16時) (レス) id: bba4690273 (このIDを非表示/違反報告)
りあん - コメント始めてしますがとても楽しく読んでいます。二番くん格好いいですね(*^^*)更新応援してます(*´∀｀) (2016年10月22日 18時) (レス) id: caafde0f34 (このIDを非表示/違反報告)
桜翡苑 - ちぃmm。さん» お帰りなさい!!こっちも"牡丹の花を"も待ってます^^* (2016年10月16日 22時) (レス) id: 169b7c25bf (このIDを非表示/違反報告)
うっちー★煎じ推し(プロフ) - 更新！！ものすごく楽しみです！！頑張ってください (2016年10月16日 21時) (レス) id: 7eb7ad94cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃmm。 | 作成日時：2016年8月5日 16時
