【 123 】二番煎じside ページ23
自転車の後ろに、Aを乗せて、病院まで急いだ。
自転車から落ちないように、俺の腰に回した手は震えていて、
Aの涙は音もなく、俺の背中を濡らす。
なんで俺の足はもっと早く動かないんだろう。というもどかしさと、大切なAに何にも言葉をかけてあげられない情けなさで、
俺もどうにかなってしまいそうだった。
でも俺がここで足を止めたら、一分一秒でも遅れてしまったら、Aは一生後悔するなんてことが起きてしまうかもしれない。
疲れすぎて感覚のなくなった足を、根性だけで動かす。
A「…パパ…大丈夫だよね?」
涙は止めどなく流れていて、とても穏やかではいられない状態なのに、
Aの声はすごく静かだった。
煎「………大丈夫…きっと…」
息が上がって苦しいながらも、必死に声をかける。
Aは決して落ち着いているわけじゃない。
頭が働かなくなるほど怖くて、不安で、
でも、そんなAを見ていると、俺まで不安になる。
お父さんがもしいなくなったら、この子は大丈夫なんだろうか。と。
力ない腕で俺につかまる彼女は、スピードを出す自転車の風と一緒に、消えてしまいそうだった。
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桃姫(プロフ) - 誤字すみません…。 (2016年11月22日 16時) (レス) id: bba4690273 (このIDを非表示/違反報告)
桃姫(プロフ) - はじめまして!本当にキュンキュンするラブストーリーをありがとうございます!(?)更新楽しみにしてますね!ちなみな、牡丹の花も読ませて頂いてます! (2016年11月22日 16時) (レス) id: bba4690273 (このIDを非表示/違反報告)
りあん - コメント始めてしますがとても楽しく読んでいます。二番くん格好いいですね(*^^*)更新応援してます(*´∀`) (2016年10月22日 18時) (レス) id: caafde0f34 (このIDを非表示/違反報告)
桜翡苑 - ちぃmm。さん» お帰りなさい!!こっちも"牡丹の花を"も待ってます^^* (2016年10月16日 22時) (レス) id: 169b7c25bf (このIDを非表示/違反報告)
うっちー★煎じ推し(プロフ) - 更新!!ものすごく楽しみです!!頑張ってください (2016年10月16日 21時) (レス) id: 7eb7ad94cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃmm。 | 作成日時:2016年8月5日 16時