アイドルになるその前の話。【3】

【 122 】 ページ22

【作者より】ここから死ネタがあります。苦手な方はご注意ください。









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メールには、病院名と「早く来なさい」というメッセージが。




早く行かなきゃ





電話が9件入った後、3分前のメールを最後に母からの連絡が途絶えている。





A「どうしよう…煎じくん…私どうしたら…！！！！」




手が震え足がガクガクする。




行かなきゃ行けないのに、動けない。





煎「早く行かないと…！！」




煎じくんは携帯で病院名を検索し始めた。




A「パパが死んじゃったら私……」




足の力が抜け、立っていられない。




煎「大丈夫って信じよ？！」




私の背中をポンっと叩くと、煎じくんは廊下に飛び出した。




廊下の先に歩く野球部3人組に向かって叫ぶ。




煎「誰か自転車貸して！！！！緊急なんだ、頼む！！！」





いつも声を荒げたりしない煎じくんの大声に、野球部も緊張感が伝わったのか、急いで自転車の鍵を渡してくれた。




煎じくんは、私の元へ駆け寄ると




煎「調べたら、ここからだと自転車が一番早いみたい。乗せてくから行くよ！！！」




立ち上がろうとする私に肩を貸し、




二人で駐輪場まで走った。

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