アイドルになるその前の話。【3】

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風邪をひいてない私はいつも通り学校に行かなきゃいけないので、急いでシャワーを浴びた。



脱衣所で服を脱いで、風呂場に入ると、しばらくしてママが制服の替えと下着を持ってきてくれた。



シャワーを手短に済ませていると、玄関の方からパパの大声が聞こえた。




何事かと思ってさっさとお風呂場から出て着替えると、煎じくんはパパとママに支えられてヨロヨロと歩いていた。



A「えっ！！煎じくん大丈夫？！」



母「あんたのために、うちまで来たんだから風邪こじらせちゃったんでしょ？…可哀想に。」



ママが私をキッと睨む。



父「大丈夫だよ、多分風邪で無理したから熱が上がっただけだ。休ませてあげるから、Aは学校に行く用意しなさい。」



パパは、ママに和室に布団を引くように言って



とりあえず煎じくんをリビングのソファーへ寝かせた。



A「ほんと私看病しに行った意味ないなぁ…むしろ悪化してるじゃん…」




落ち込む私に、パパが「ハハハ」って笑った。




父「意味がないことはないよ笑。男なんて単純なもんだから、好きな女の子の姿が見られるだけでいいんだ、元気出てくるんだよ。」




A「…そんなもんなのかなぁ。」




そう言って時計を見ると8時。




A「あっ！早く学校行かないと！…でも…煎じくん…」




ママが和室から来てパパに煎じくんを寝かせるよう頼む。




母「今日、ママは家に1日いるから、大丈夫よ。…その代わり煎じくんは学校休むって先生に伝えてあげて。」




A「わかった。」




私は遅刻しないよう学校に走った。




父「なぁ…ママ、煎じくん…だっけ？



あの子………軽すぎ、……ママより軽いか/



そう言いかけたところでパパはパンチをくらい、
会社へと出て行った。

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