アイドルになるその前の話。【3】

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ピンポーン……………



私は電車に乗って二駅の煎じくんのうちに着いた。



インターホン押したけど………でないなぁ。



諦めて帰ろうとした時、家の中からすごい音がする。



A「えっ？！何の音？！」



私が思わず口に出して驚くと、目の前のドアはゆっくりと開いて



…ボロボロの煎じくんが姿を現した。




煎「すいません遅くなって…どちら様で……あれっ？！A？！」




煎じくんは冷えピタを貼って(剥がれかけてる)



1人なのにマスクをつけ、春とは思えないほどの厚着をして出てきた。



A「お母さんもいないみたいだし、ちょっと心配になって…来たんだけど。…全然大丈夫じゃないじゃん。」



煎じくんはそんなフラッフラの状態で階段降りたから、転けたんだろう。



煎「いやそんな大したこと…ないよ…」



煎じくんは目眩がしたのか、身体がバランスを崩し、玄関で膝をつく。



A「煎じくん！大丈夫？！…ちょっとお邪魔するからね…」



玄関に上がらせてもらって、煎じくんのおでこを自分のおでこと合わせる。



A「熱っ！！！！」



煎じくんはいつも低体温なのにもかかわらず、すごく熱くなっている。



このまま放っておけないなぁ…って煎じくんの看病をしようと思った。

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