【 57 】二番煎じside ページ7
鈴奈が死のうとし始めたのは高校に入ってから。
けれど、死にたがっていたのは中学の頃からだ。
中学までは、俺が同じ学校だったから暗くなった鈴奈も、まだ穏やかにいたみたい。
それでも、俺はどうしても鈴奈と離れて生活をしたい。
…そう思ってしまった。
あきらかに見て取れる俺への執着心は、不安感を募らせていた。
めんどくさい。一言で済ますことのできないものだった。中3だった俺には、いくら幼馴染のためとはいえ、毎日死を望む鈴奈と一緒に居続けるのは、神経をすり減らし、精神的にも持たなかった。
中学の担任はそんな俺を見て、親と先生以外には進路先を全く伝えず、鈴奈には進路先を合わさせないようにしようと提案してくれた。
泣きながら訴える鈴奈にも、俺は進路先を教えなかった。
それでも、もし俺への執着がなくなれば新たな生活が始まり、新たに一歩踏み出すキッカケになるかもしれない。とも思っていた。
…結構酷いことをしてしまったのかな。と今となっては思う。あれだけ仲の良かった幼馴染だったのに。
しかし、高校が離れてみると状況は悪化した。
次第に鈴奈は不登校になり、家にずっといるように。
そして、合鍵を渡されたが拒否していると、メールが届き、「死んでやる」と俺を脅すようになった。
仕方なく俺は一人暮らしの鈴奈の家の合鍵を持ち、いつも呼び出されるたびに、死のうとする初恋の相手を目撃しなきゃいけない。
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もも(プロフ) - いつも楽しみにしながら読んでます!!!いつまでも読み続けます!!!!!!!!!!! (2016年8月3日 1時) (レス) id: c42a6310b9 (このIDを非表示/違反報告)
琴乃 - いつも見させてもらってます!これからも頑張ってください! (2016年8月2日 19時) (レス) id: 169b7c25bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃmm。 | 作成日時:2016年7月25日 13時