【 85 】 ページ35
唯「ゆいのパパとママ、ゆいを寝かしつけた後いっつも喧嘩してた…。ゆいが友達と喧嘩すると、仲がいいから喧嘩するのよってママが言ってたから、パパとママもそうだと思ってた…。だから我慢したのに…。」
唯ちゃんが零す言葉は、5歳の子供にはとてもじゃないけど我慢できるものじゃなかった。
A「そっか…辛かったね。」
でも、なんて言ってあげたらいいのかなんてわからなくて、私は黙ってしまった。
私達がどうにかしてあげたくても、お母さんたちの離婚を止められるわけじゃない。
煎「唯ちゃん」
煎じくんが沈黙を破り、唯ちゃんに話しかける。
目線を合わせてしゃがみ込み、ゆっくりゆっくり喋りかけた。
煎「俺ね、Aのこと好きになって、Aも俺のこと好きって言ってくれたから、それから俺たち一緒にいるんだ。それは、唯ちゃんのお父さんお母さんも同じことで、今は大人のお母さん達も、若い頃に2人は出会って恋をしたんだ。」
煎じくんが一生懸命伝えているのを感じたのか、唯ちゃんは目を離さず、視界が潤みながらもちゃんと聞いていた。
煎「恋をして、結婚して、唯ちゃんが生まれて
…けど、大人って色々あるみたいで…、好き合ってる2人もどんどん心が離れちゃったりするんだ、
…それはお父さんが悪いわけでも、お母さんが悪いわけでもないんだよ。
…俺にもまだ、大人のことはわからないんだから、唯ちゃんには難しいかもしれないね。…お母さん達のことをわかってあげるのも難しいと思う。」
煎じくんは高校一年生なのに、5歳児相手に伝わるようにしっかり言葉を紡ぐ。
煎「お父さんとお母さんがお別れするのは辛い。唯ちゃんは悲しいんだってこと、ちゃんと伝えていいんだよ。
2人が仲良くしてるところが好きだったってことも伝えていい。
唯ちゃんは頑張り屋さんだろうから、気を使って今まで言わなかったかもしれないけど。
…だけど、お母さんとお父さんのこと、責めないであげてね。」
唯ちゃんはポロポロ涙をこぼしながら、煎じくんに向かって頷いた。
顔を再びあげた唯ちゃんは、まだ泣いていたけれど、その顔はどこか強くなっていた気がする。
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もも(プロフ) - いつも楽しみにしながら読んでます！！！いつまでも読み続けます！！！！！！！！！！！ (2016年8月3日 1時) (
レス) id: c42a6310b9 (このIDを非表示/違反報告)
琴乃 - いつも見させてもらってます!これからも頑張ってください! (2016年8月2日 19時) (レス) id: 169b7c25bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃmm。 | 作成日時：2016年7月25日 13時
