【 64 】二番煎じ ページ14
いつもは必死で鈴奈の家まで走っているが、
今日は自分の嫌な考えが頭をよぎってしまった。
もし俺が今あいつを助けようと走らなければ、
もうこの地獄から抜け出せるんじゃないか。
あいつがもういなくなったら、Aにこのことがばれて、不安にさせることもない。
走っていた足が、徐々にスピードを下げていく。
あんな奴のことなんて、もう放っておきたい。
人が死のうとするところをもう見たくない。
もう周りに、自分が鈴奈の父を殺したと思われたくない。
今までの苦しみが頭の中をぐるぐるとまわる。
…とうとう立ち止まった。
本当に嫌な人間だな、俺は。
…でも、Aは別に幼馴染を見殺しにしてまで一緒にいてくれなんて思わないだろう。
Aのため、なんて押し付けて、
結局自分がAといたいだけ。
Aの彼氏失格かな…。
俺はまた足を一生懸命動かして、地面を蹴り始める。
ーーーーーーーーーー
鈴奈の家に着くと、持っている鍵で急いで中に入る。
煎「おい!鈴奈もうやめろ!!」
勢いよく部屋に入ると、そこにはいつもの白いワンピース姿で、ソファーに座っている鈴奈がいた。
煎「なんで…」
俺がそう言うと、黙っていた鈴奈はクスクス笑い出した。
鈴「だって煎じは、私が死ぬと困るから、来いっていったらいつも来てくれるのかなって思ってさー!」
煎「俺はお前がまた死のうとしてるのかと思ったからここに来たんだぞ…」
鈴「じゃあよかったじゃない!無事に生きてて!」
煎「…はぁ?」
俺の中の何かが、ブチ切れだ音がした。
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もも(プロフ) - いつも楽しみにしながら読んでます!!!いつまでも読み続けます!!!!!!!!!!! (2016年8月3日 1時) (レス) id: c42a6310b9 (このIDを非表示/違反報告)
琴乃 - いつも見させてもらってます!これからも頑張ってください! (2016年8月2日 19時) (レス) id: 169b7c25bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃmm。 | 作成日時:2016年7月25日 13時