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Aがツアー準備が忙しいのはわかってる、つもり。
でも、自宅と同じビルに作業部屋があるのに、外へ仕事へ行ってる僕より帰りが遅くなるなんて思わないじゃん？
Aと"SEVENTEENを優先させて、休めるときにちゃんと休む"って、約束した。
だから、下の階にはダンスレッスンの時以外は行かないように、(行ったら気になっちゃうからさ)してる。
僕のほうが早く帰宅して、まだ帰ってないAを待つのも嫌いじゃない。
Aは、いつも僕の帰りを寝ずに待って居てくれてるから…。
そう思っていたら、
"遅くなるから、先にお風呂入って休んでて"
そう彼女からの連絡がきた。
お風呂は入ってないと、怒られそうだから、仕方なく、さっさとシャワーを浴びる。
先に休むのは、無理！
せっかく、同じ家に帰って来るのに、すれ違うのは嫌だ。
見もしないテレビをつけて、ソファに座り、
「A、まだかな。」
と小さく呟いた。
テレビの雑音と今日一日の疲れでソファでウトウトしながら、彼女の帰宅を待った。
▽
「ジス〜、ちゃんとベッドで寝ないと疲れ取れないよ？」
愛しいAの声がして、目を開けたら、心配そうにこちらを見ているAがいた。
テレビはいつの間にか消えてる。
「ん、お帰り、A」
そう呟けば、彼女は苦笑い、
「ただいま。ジス。私は、ジスを運べないから、ちゃんとベッドで寝て？」
そう言って、僕の腕を引く彼女は、もう寝る準備ができていた。
「あ、ジス。髪の毛、乾かしてないでしょう？」
僕をベッドに連れていき、寝転んだ僕の髪の毛を見たAは呟く。
「ジスはしょうがないなぁ。」
なんて言いながら、頭を撫でてくれるから、瞼が重くなる。
「別に、髪の毛なんて良いよ。」
そう言って、Aをベッドに引きずり込んだ。
彼女の暖かさと匂いに嬉しくなって、自分の方へ抱き寄せる。
「先に寝てていいのに…」
そう言われたけど、
「No、Aが居ないと嫌だ。」
と、返した。
「まだ、忙しいの？」
そう聞けば、彼女は、僕の腕の中で笑う。
「準備はあらかた終わったよ」
そう、答えが返ってきた。
「じゃあ、明日は忙しくない？」
「多分ね、」
「…明日はAがお帰りしてくれる？」
「多分、」
嬉しくて、笑った。
僕が待つのも良いけど、Aにお帰りって言ってもらうほうが好きだなぁ。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2022年8月20日 0時
