◎549 ページ9
◎Lisa
「僕は物静かでおとなしい人間なんだ。」
そう断言したジョッシュ。
その場にいたAとアレックスと私は顔を見合わせた。
「…へぇ？」
辛うじて、そう呟いたAはなんとも言えない顔をした。
ジョッシュが物静かでおとなしい？
「逆の意味があるのかな。」
小さく呟くA。
そんなものないよ？
「あ、SEVENTEENの"ジョシュア"の話か。そっか。」
ポンと手を叩いて言うAのスッキリとした顔よ。
多分、ジョッシュは本気で言ってる気がするんだよね？
ほら、彼、首傾げてるじゃない。
Aはジョッシュを不思議と言うけど、私達からしたら、"お前らは不思議"だと思うんだよね。
二人の会話は偶に噛み合わないし。
よく付き合えてるもんだ。とアンチームでは言われてる。
「ジスがおしゃべりじゃなかったら、私ばかり話すことになるね。それは寂しいな。」
おっと、Aの無自覚攻撃。
あ、ジョッシュが自身の胸を片手で掴んでダメージ受けてる。
効果音をつけるなら、"ぐはっ"かな。
「二人でいるのに会話がないのは悲しいよ。」
A、何故、会話がないことになってるの？
「じゃあ、僕はA限定で、おしゃべりになる！」
「(ジスはいつも話してる気がするけど)…うん？」
「それなら、悲しくないでしょ？」
「(よくわからないけど)…うん。」
二人は噛み合わない会話を続けている。
ジョッシュ、そもそも、貴方はおしゃべりだと思うわ。
いつもAに話しかけてるじゃない。
「ヒョン、休憩終わりだよ〜」
ドアを開けてそう言うホシに、
「うん、今行く〜」
とジョッシュは返事をして、Aに一度ハグしてから彼は部屋を出て行った。
「…ジスは何を言いたかったのかな？」
首を傾げるA。
うん、大丈夫。
私達もジョッシュが何を言いたかったのか、わからないから。
「今日もジョッシュの話はよくわからなかったな。」
ため息をついて言うアレックス。
「いつも、だよね。」
ふふふ、と笑うA。
Aは、いつもわからないんだ。
「真面目に聞いているんだけど、ね。」
Aはそう呟いた。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年4月14日 7時
