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ある何気ない休みの日。

「ジス〜、」

僕を呼ぶAの声で分かってしまった。
今日は"あの日"か。

たまに、本当にたまに。
数ヶ月に一回とかそれくらいの頻度でAが甘えてくる。
それも激甘。
普段の甘えが塩なんじゃないの?って言うくらい、激甘。

そんなAが可愛い過ぎて、その時ばかりは僕はデロデロにだらしない顔をしてしまっていると思う。
愛してやまない彼女から甘えてくれるなんて表情管理なんてできるわけないよね?

僕を呼ぶAの声が言っている。
今日は激甘な日だ。

「ジス?あれ、居ないの?」

Aが寂しげにそう呟く声がして、慌てて彼女の元へ行き、抱きしめる。

「僕はここに居るよ。」

腕の中のAにそう言えば、ふわっと嬉しそうに笑った彼女は、

「お出かけしたのかと思った。」

と呟いた。
いや、何も言わずに出かけるわけないよね?
本当は下のジムでも行こうかと思っていたけれど、やめた。
今日は激甘日なんだから。
僕にとったら、SPECIAL DAYだよ?
何をもってしても最優先事項だよ!

「お出かけしない。Aのそばにいるよ。」

「嬉しい」

いや。まじで。
そんなに嬉しそうに言われたら…。

「今日は一日傍に居てくれる?」

首を傾げて言うA。

「当たり前っ。」

即答して、彼女が僕の服の裾を握っていることに気づく。
あぁ、可愛い。
いつもはさっさと僕から離れちゃうAが、自分から僕にくっついている。
あぁ、なんて幸せなんだ!
今日は一日、甘いAを堪能できそうだ。


その日は一日、僕に引っ付くAを堪能した。

きっと僕の顔は、メディアには出せないだろう。
まぁ、部屋でAと二人っきりだから、どんなに顔が崩れてもいいや。








私からくっつくとジスが幸せそうに笑うから。
本当はもっとジスと一日中ベタベタしたい。
だけど、恥ずかしい。
だって、ジスはイケメンだから。
近くに居たいけど、近すぎると恥ずかしいのだ。

今日一日、ジスを独り占めした。

幸せだった。

きっと私はジスから離れられない。




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作者名:ちな | 作成日時:2023年4月14日 7時

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