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お泊まりのお仕事へ行くジスを笑顔で送り出して…
限界だった。
なんとかジスには悟られずにすんでホッとしたら、力が抜けてしまった。
リサが私の異変にすぐ気づいてくれたから、倒れずに済んだけれど…。
自宅のベッドへリサが運んでくれた。
急ぎの仕事がなくて良かった。
「いつから？」
リサに聞かれて、"今朝からだ"と答える。
ジスにうつさないように、細心の注意を払っていたら、とても疲れてしまった。
身体が熱くて、頭が痛い。
気をつけていたのになぁ。
私と違ってジスは忙しいから、私が体調を崩してジスにうつしたら大変だ。
「今、ドク呼んでるから…ドク来るまで寝てなさい。」
そう言いながら、リサが私の額に手を置いた。
リサの手が冷たくて気持ち良い。
「ん、ごめん、ありがと。」
そう呟いて、瞼を閉じた。
ジス、大丈夫かな？
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ドクの診察では夏風邪だったみたい。
「ごめんね、リサ」
風邪でダウンなんて情けないなぁなんて思いながらそう言えば、
「ん、んんっ。大丈夫よ。ジョッシュが帰る前に治さないとね？」
私の頭を撫でながら、リサはそう返してくれた。
ジスにはうつしたくない。
「とりあえず、ゆっくり、安静に…」
とリサが言ったところで、ピコピコ光る私のスマホ。
今は熱で怠い私の代わりにリサがスマホを見てくれた。
「ジョッシュ、あの子、仕事じゃないの？」
そう呟くリサ。
ジスからの連絡みたい。
「ジス？なんだって？」
ジスからの連絡なら返事しないと、ちょっと怠いけど手を出してスマホを受け取ろうとすれば、リサは片手を出して私を静止する。
「大した連絡じゃないわ。あっちのマネージャーにジョッシュのスマホを取り上げるよう言っとくわ。」
「え、でも…」
「早く治さないとジョッシュにうつしちゃうわよ？」
と、呆れたように私を見るリサ。
ジスにうつすのは…
「それは…ヤダ。」
私がそう呟けば、
「なら、今はゆっくり静養しなさい。」
とリサに言われてしまった。
ジスにうつすのはイヤだけど、ジスの連絡を無視するのも嫌だ。
心の中は葛藤していたけれど、熱に浮かされていた私はリサに言われるまま、瞼を閉じてしまった。
今は辛いから、後で連絡を返そう。
ごめんね。ジス。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年4月14日 7時
