◎585 ページ45
◎Lisa
今日からジョッシュがGoingなんとかの撮影だとか？で、宿泊仕事らしい。
とりあえず、一週間らしいんだけど。
行きたくないと駄々をこねるジョッシュを半ば引きずって行ったウジとエスクプス、お疲れ様だわね。
いつもは宥めすかしてジョッシュを行かせるAなのに、今回は"行ってらっしゃい"と笑うだけだったみたい。
「ヤー！Aー！」
ジョッシュは、メンバー二人に引きずられながらまるで今生の別れのように悲痛な叫び声を上げていたとかなんとか。
ジョッシュ、貴方、仕事に行くだけでしょう？
アンチームの皆がふくみ笑いで話していたっけ。
そんなジョッシュの奇行はいつものことだけれども。
大人しく仕事に行けないのかしらね、彼は…。
「いつから？」
Aをベッドに押し込んで聞けば、
「今朝かな？」
との返答。
ほんのり色づく彼女の頬。
「今、ドク呼んでるから…ドク来るまで寝てなさい。」
そう言いながら、彼女の額に手を置けば、少し熱い。
体調が悪いのをジョッシュに悟られないようにするのに必死だったのね。
「ん、ごめん、ありがと。」
そう呟くAは瞼を閉じた。
Aのことを誰よりもよく見ているジョッシュに悟らせないなんて凄いわね。
▽
▽
▽
ドクの診察では夏風邪らしいA。
大事には至らないみたいで一安心。
「ごめんね、リサ」
熱が出ていてうるうるしている瞳で私を見てそう言うAの頭を撫でる。
ヤバい、可愛い。
「ん、んんっ。大丈夫よ。ジョッシュが帰る前に治さないとね？」
「うん。」
「とりあえず、ゆっくり、安静に…」
と私が言ったところで、ピコピコ光るAのスマホ。
彼女の了承を得て見れば、凄い勢いでジョッシュからのカトクが入って来ていた。
「ジョッシュ、あの子、仕事じゃないの？」
思わず呟く。
「ジス？なんだって？」
気怠げに布団から手を出してスマホを受け取ろうとするAを片手を出して静止する。
「大した連絡じゃないわ。あっちのマネージャーにジョッシュのスマホを取り上げるよう言っとくわ。」
「え、でも…」
「早く治さないとジョッシュにうつしちゃうわよ？」
「それは…ヤダ。」
「なら、今はゆっくり静養しなさい。」
「は〜い。」
まったく。
熱が出て、辛いはずなのに、ジョッシュファーストなのはいただけない。
Aは、もっと自分を大事にして欲しいわね。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年4月14日 7時
