不思議の国のジョシュア君13th (ページ5)

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◎Hwasa

意図せず、アンの彼氏を知ってしまった。

コラボではなく、アンが私のために曲を書いてくれた。

「好きなように使って」

とアンは言ってくれた。
私のために、世界のUnnamedがっ。
めちゃくちゃ嬉しい。
アンは今制作期間だそうで、たまたま作った曲のイメージが私だからとその曲をくれたのだ。
なんて素晴らしい幸運なんだ。
楽曲を貰いに彼女の事務所ビルを訪れて、仕事の話は終え、雑談を廊下でしていた時にそいつは現れた。

「A〜、今日も僕は頑張ったよぉ、褒めて〜。」

そう言いながら、アンの後ろから抱きつき、彼女の首に顔を埋める男。
アンの匂いを嗅いでない？
え、変態？
アンは慣れているのか、別段何もせずされるがままになっていた。
思いっきり知り合いのその男は、外見は私の知る男。
だけど、こんな風に目尻垂れまくりで、甘えたな男じゃなかったはずで…だから、

「え、はぁっ？」

思わず、変な声を出してしまった。
アンの肩越しに私を見た彼は、

「あ、」

と、不思議そうに首を傾げた。

「なんで？ジョシュア？」

そう呟きつつ、目をガン開きにしてしまう私。
だって、ジョシュアだよ？
Aは、ぎゅっと彼をハグして、

「ファサ、紹介するね、私の"彼氏"のホン・ジス。」

とニッコリと笑って言った。
え、本気で？
ソレと付き合ってるの？

「え、は？なんでジョシュアなの？…アン？」

思わず口をついた疑問。
だって、アンは性格も容姿も良い。
わざわざジョシュアを選ぶことなどないのだ。

「学生時代からの付き合いだし、私はジスを愛してるの。」

アンはそう答えて幸せそうに笑った。
確かに彼女は彼氏を愛してるって話してた。
彼女の事務所にSEVENTEENが出入りしてたのも、ルーカスじゃなくてアンがジョシュアと付き合っていたからなのね？
今更ながら、色々と合点がいった。
私が想像していたアンの彼氏像は音を立てて崩れ去った。
周りの反応を見るに、スタッフもSEVENTEENのメンバーも二人の関係を知っているようだ。
あんなに優しく愛しい目で他人を見る彼なんて知らない。

アンも彼が傍に居て嬉しそうに幸せそうに笑っているし…

「ジョシュア！アンを泣かせたら許さないからっ」

私はそう捨て台詞を吐くことしかできなかった。

…