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たまにジスは暴走する。
一緒にいられない時間がそうさせるのかと思っていたんだけど、どうやらそうじゃないらしい。
スキンシップが激しいのは、ただ単にジスがそうしたいから、みたい。
まぁ、二人きりの時だけだし、ジスと触れ合うのは嫌じゃないし…。
でも、何がジスのスイッチになるかわからないから、ドキドキする。
恋人と一緒に居てドキドキするってこういう事なのかな？
リサにそう話したら、
「いや、違うでしょ？」
と即否定された。
「え、」
「恋人と居てドキドキするっていうのはね、恋人が何をやらかすか分からなくてドキドキするのと違うわ。絶対。」
力強くそう言うリサ。
「そうなんだ？」
そう呟きながら、じゃあ、ジスは何なんだろう？と思った。
「なんの話？」
私を後ろから抱きしめたジスは私とリサの話に入ってきた。
視線を彷徨わすリサ。
「ジスと居るとドキドキするって話」
私がそう言うとジスは
「え、僕、Aをドキドキさせてるんだ。嬉しいなぁ。」
と言った。
声が嬉しそうだ。
後ろにいるから見えないけど、ジスは多分とても嬉しそうに笑ってるんだろうな。
リサはそっと視線をジスからそらしたようだ。
「僕はAと一緒にいるとクラクラするよ。」
「クラクラって？」
「日々、Aの可愛さにクラクラする。」
「…意味がわからない。」
クラクラってなに？
ジスはやっぱり不思議の国の住人だ。
そんな風に話していたら、部屋に入ってきた兄。
「もうすぐ車来るけど忘れ物ない？」
兄がそう聞いてきた。
「うん、」
ジスのお休みの都合で、これからまたプライベートジェットで渡韓する。
車が来たのか、スマホを見ていたリサが
「ほら、ジョッシュ、Aから離れて。行くわよ！」
そう言うと、不満げなジスが
「えぇ、」
と声を出した。
「ジス、行こう」
そう彼に言って手を差し出せば、ジスはニコニコと笑って、私の手を握った。
「まったく、Aはジョッシュに甘い。」
兄にそんなことを言われつつも、
「ジスが私の後ろに居るとジスの顔が見れないもの。」
そう呟けば、ジスは
「そうだね。キスもできないもんね？」
と言ってキスをしようとしてきたので、さり気なくかわした。
人前でキスなんて恥ずかしいから無理。
ほら、だから、何をしでかすかわからないから、ジスの傍にいるのはドキドキする。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年4月14日 7時
