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「アン、会いたかったわ。」
そう言う彼女とハグをした。
エリーには何度か助けてもらっていたし、私がロスに帰ってきた際は毎回時間を作って会食してる。
いつもは、私とルーカスで会食してるけれど、今日はジスも一緒に来ていた。
「エリー、改めて紹介するね。私のパートナーのホン・ジス。」
ジスの腕に自分の腕を絡ませて言えば、
「お久しぶりです。エリーさん」
とジスは言った。
「あら、アンの彼氏は"本当に"SEVENTEENのジョシュアなのね。お久しぶり〜。」
そう言って、エリーは楽しそうに笑う。
「"本当に"って？」
首を傾げる私の肩をジスは抱き寄せた。
それを見たエリーはますます笑みを深めた。
「嘘じゃなさそうね。」
「エリー、だから言ったじゃんか。」
兄は呆れたように呟いた。
嘘？なにが？
二人の話が見えなくてジスを見れば、彼はニコニコと笑うばかり。
「ルーカスがアンにつく虫を払う意味で、ジョシュアに頼んでいるのかと思ったのに…」
「頼む以前に、ジョッシュは全力で払ってるよ。」
虫って、なんだろ？
首を傾げていれば、ジスが私に話しかけてきた。
「このお店は何が美味しいかな？」
「エリーの選んでくれるお店は何でも美味しいよ。」
「お酒は飲む？」
「飲まない。ジスは？」
「Aが飲まないなら、僕もいらないや。」
ジスとそんな会話をしていれば、エリーから生暖かい視線を受けた。
「…意外ね。」
小さく呟くエリー。
「ジョッシュがベタ惚れなんだ。」
「アン相手なら、まぁ、分からなくもないけど。」
「それはそれは…エリーは我が妹への評価が高いな。」
「そう？私はアンが大好きよ？」
エリーがそう言うから、
「私もエリーが大好きだよ！」
と彼女に言えば、ジスが私を抱き寄せて、
「僕はAを愛してる。」
と耳元で囁いてきた。
「「…」」
エリーと兄はなんとも言えない顔でジスを見ていた。
ジスはニッコリと笑うとそんな二人の様子も気にせず、私の手を握り、
「僕はいつだってAを愛してるもん。」
と呟いて、私の手にキスをした。
「あらあら」
「…No」
エリーは頬に手を当て、兄は額に手を置いた。
流石にエリーの前でソレは…
「ジス、恥ずかしい。」
小さく呟けば、ジスは笑みを深める。
「恥ずかしがるAも可愛いね」
「ジョッシュ、そう云うのは家でやれ、」
呆れた兄はそう言うと話題を変えた。
エリーとの会食は終始、和やかに行われた。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年4月14日 7時
