不思議の国のジョシュア君13th (ページ32)

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Aの帰国の一番の目的はMAMAMOOのコンサートだったみたい。
ファサにロス公演に招待して貰ったみたいで、彼女はとても楽しみにしていた。
本来ならUnnamedでのコンサートの招待はあまり受けないA。
だけど最近はソロコンサートをしているから、勉強のために色んな人のコンサートを観たいんだってさ。

ルーカスとAと会場に行けば、ありえないほどのマスコミが待機していた。
ファサに挨拶をして、席に向かう最中、

「MAMAMOOって注目されているのね！流石ファサ！」

なんてキラキラした目で云うA。
注目されたのはMAMAMOOのコンサートにきたUnnamedだよ？
どこに行っても、いつだって注目を集めちゃうのはAなのに、気づかない彼女が可愛い。
席についてからも目をキラキラさせて、ステージを見つめているAは可愛い。
どこにも行かないように、僕から離れないように抱き寄せたら、彼女に拒否されてしまった。
でも、すぐに手を繋ごうと言ってくれた。
やっぱり、僕の彼女は最高だ。

コンサート中盤、スポットライトが突然、僕達の席を照らした。

「今日は特別なお友達が来てくれています！」

「世界のルーカス＆Unnamed！」

「来てくれてありがとう！」

「楽しんでください！」

そう挨拶するMAMAMOOのメンバー。
ルーカスとAが立ち上がり、ステージと観客に向かって手を振った。
絶叫に近い歓声がMAMAMOOのファンから上がった。
うん、気持ちはすっごくよくわかるよ。
ルーカスやAが居るこの日に会場に来れた幸運を喜んでいるんだね。
Aは何故歓声が上がったのか良くわかってないみたい。
席に座る時には首を傾げていた。
ルーカスはそんな妹に苦笑いする。

"世界のUnnamedがコンサートに来てくれる"その事実がどれだけ話題になるのか…Aにとってはどうでも良いんだろう。
Aにしたら、兄と僕と友達のコンサートに来ただけの話だし。

ほら、だから今、席を立った時に離した僕の手をAは当たり前のようにまた握ってくれるんだ。

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コンサートが終わるとルーカスに"MAMAMOOに挨拶に行くから先に二人でディナーに行ってて"。と言われた。

「楽しかった？」

僕がそう聞くと、

「SEVENTEENのコンサートも楽しかったけど、MAMAMOOのコンサートも楽しかった。」

と答えるA。
ちゃんとSEVENTEENのことも口にしてくれる僕の彼女は、本当に可愛い。

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