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今回の帰国のメインイベントはMAMAMOOのコンサートだった。
兄から招待を受けたと聞いた時、凄く行きたくて…。
他の仕事はまぁ韓国でも出来るからね。SEVENTEENのマネージャーさんに無理を言ったのはこの為。
会場には沢山のマスコミが居て、MAMAMOOの注目度は凄いなぁなんて感動した。
そうジスに話したら、鼻で笑われた。
「Aは可愛いね。」
と何故か抱き寄せられた。
意味がわからない。
不思議の国の住人はよくわからない。
MAMAMOOのコンサートはワクワクした。
キラキラする舞台に観客席。
「うわっ、やっぱりキラキラだね！」
私がそう言うと、ジスは、
「うん、そうだね。Aが一番可愛いよ。」
と返してきた。
今日のジスはよくわからない。
あ、いつもか。
「ねぇ、ルーカス。ジスが…」
「…とりあえず、折角招待して貰ったんだ。楽しめ。」
「…うん」
仕方なくステージへと視線を向ければ、ジスは私を抱き寄せた。
「ジス？」
「暗いから大丈夫。」
「そうじゃないでしょ？」
観にくいじゃない。
「えぇ、ダメ？」
ジスがそう言ってがっかりするから、手を差し出し、
「手、繋ごう。」
と言ってみた。
「うんっ！」
指を絡めて手を繋ぐジスにため息が出そうになった。
「相変わらず、ジョッシュに甘いな。」
ポツリと兄が呟く。
「私はジスを愛してるから、仕方ないでしょ。」
小声で兄に言えば、
「僕もAを愛してるよ」
と耳元でジスが囁いてきた。
「はいはい。二人共、ステージに集中な。」
私達の様子に呆れたような兄はそう言った。
▽
MAMAMOOのコンサートはとても素晴らしかった。
やっぱりアイドルの子達は体力が違う。
あんな激しいダンスをしながら歌ったりするんだもの。
日々の積み重ねや努力は計り知れないなぁ。
私も体力づくりすべきかな。
…いやいや、アイドルのコンサートを観るといつもそう思うのよね。
実行できた試しがないんだから、余計なことは考えずに、私は私のペースで頑張ろう。
「俺はMAMAMOOに挨拶してくる。二人はディナー先に行ってな。」
兄にそう言われてジスと二人、車に乗り込んだ。
まぁ、護衛はついているんだけどね。
「楽しかった？」
ジスにそう聞かれて、
「SEVENTEENのコンサートも楽しかったけど、MAMAMOOのコンサートも楽しかった。」
そう答えた。
ニコニコと笑うジスは私を抱き寄せ、
「ソレは良かった。」
と呟いた。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年4月14日 7時
