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ダンスレッスンを終え、打ち合わせ室のある廊下で立ち話しているAを見つけた。
「ちょ、シュア！」
メンバーに声をかけられたけど、だって今日も疲れたから癒やしが欲しい。
同じビルに居るのに今日は休憩時間に会えなかったし。
「A〜、今日も僕は頑張ったよぉ、褒めて〜。」
いつものように彼女を後ろからハグして耳元で囁く。
ドサクサに紛れて彼女の首筋に顔を埋める。
ん〜、いい匂い。癒やしだ。
「え、はぁっ？」
変な声が聞こえて、Aの肩越しに彼女の前にいた人を見れば、MAMAMOOのファサだった。
「あ、」
あれ？なんでここにいるの？
周りを見回せば、苦笑いしているAのところのスタッフと、苦い顔をしているうちのメンバー。
「なんで？ジョシュア？」
目を見開いて驚いているファサ。
え、あ？バレちゃった…。
Aはぎゅっと僕にハグすると、
「ファサ、紹介するね、私の"彼氏"のホン・ジス。」
とニッコリと笑って言った。
Aからのハグが嬉しくて、思わず笑みを浮かべちゃう。
「Aの"彼氏"のホン・ジスです。」
そう言えば、ファサは目をかっ開いたまま、口が半開きになった。
女子なのに凄い顔だなぁ。
「ファサ、表情管理」
思わず、呟いてしまった。
だって、君、アイドルだよね？
「え、は？なんでジョシュアなの？…アン？」
なんで、って失礼だなぁ。
「学生時代からの付き合いだし、私はジスを愛してるの。」
ファサの質問に律儀に答えるAは幸せそうに笑った。
「「「ぐはっ」」」
あ、うちのメンバーが何故かダメージ受けてる。
だから、ちゃんと話してるじゃん。
Aと僕は相思相愛だって。
みんな、ちゃんと聞いてるの？
「僕もAを愛してるよ。」
ぎゅっと抱き寄せてAに言う。
彼女は嬉しそうに笑った。
「紳士だから良いの？それともアンが愛してるから良いの？でも、SEVENTEENだよ？ジョシュアだよ？アイドルだよ？」
ブツブツ言うファサ。
「ファサ、いつもジスと仲良くしてくれてありがとう。」
Aがそう告げれば、ガックリと肩を落としていたファサは僕をまっすぐに見た。
「ジョシュア！アンを泣かせたら許さないからっ！」
そう叫ぶように言うファサ。
「うん、泣かせないよ。当たり前じゃん。」
そう答えたら、ファサは半泣きで帰っていった。
なんで泣くんだろ？
「…変なファサ。」
Aは呟いた。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年4月14日 7時
