▼562 ページ22
▼
95's会から帰宅するとAはベッドで寝ていた。
"遅くなるかも、先に寝てて"と連絡したけれど、実際、Aが寝てると寂しい。
さっさとシャワーを浴びて、彼女を抱きしめて寝よう。
ベッドに行けば、いつもの僕の場所にシロクマが居て、Aはシロクマを抱きしめていた。
そんな彼女を見て、愛しさが込み上げてきた。
僕が先に寝ててと言ったから、先にベッドに入ったんだね。
Aも寂しかったんだね？
でも、僕が帰ってきたんだから、シロクマはお役目ごめんでしょ？
シロクマを退かして、僕の定位置に入り込んだら、Aが僕に抱きついてきた。
これは…寝ている彼女を食べちゃって良いってことかな。
時間は遅いから、起こす気はないよ？
起こす気はないけど、柔らかくて温かい彼女の体が僕に密着していれば…。
あ、A、ちょっと胸元がはだけてる。
健全な男子諸君ならもうお分かりだろう？
僕は悪くない。
Aも悪くない。
悪いものがあるとしたら、それはこのような美しく可愛いAを、この世界に生み出してしまった彼女の両親…か？
こんなにAが美しく可愛く魅力的なのはある種、罪なのかもしれない。
ただ、Aが受けるべき罰は彼女のパートナーとして僕が請け負うよ。
そう言えば95's会でちょっと呑んだから酔っちゃったかな。
うん、きっと僕は酔っちゃったんだ。
Aを抱きしめるだけで満足できないのは、きっとお酒のせいだよね？
▽
"帰宅は遅いから先に寝てて"ってジスから連絡が来た。
そんな連絡はめったにないから、本当に遅くなるんだなぁと先にベッドに入った。
でも、一人だとこのベットはちょっと広すぎて…。
シロクマを連れてきて私の隣に寝かせ、シロクマを抱きしめた。
どのくらい寝ていたのか、気がつけば、私が抱きしめていたシロクマは、何故か肉々しい。
シロクマはぬいぐるみだったよね？
なんて、働かない頭で考えるていると、
「ん、」
あれ？シロクマがキスしてきた。
ぬいぐるみってキスして来るんだ…？
「愛してる」
そう呟くジスの声に一気に意識が覚醒した。
「…ジス。お帰り」
私にキスをする彼の額を手で抑えて言えば、満面の笑みを浮かべたジスがいた。
「ただいま」
私の手を退けて彼はキスをしてくる。
「丁度いい。」
「何が？」
「起きたのなら、良いよね？」
「え、」
彼の夜更かしにまた付き合わされることになった。
私、寝ていたのになぁ。
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 513人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちな
| 作成日時：2023年4月14日 7時
