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ジスは実はエスパーなのかもしれない。
例えば、私が寂しいと思った時、ジスは私が口に出さなくても私の傍に居てくれるし、私を抱きしめてくれる。
例えば、ジスと手を繋ぎたいなって思った時は、私がそう言う前に手を繋いでくれる。
エスパー・ジス、侮れない。
そんな風に考えていたら、
「なに？どうしたの？」
とジスは私をハグしながら、聞いてきた。
私の話を聞く時にハグするのは彼の標準なのかもしれない。
でも、ジスの腕の中は安心できるから。
「ジスは、エスパーなの？」
彼の背中に腕を回してそう聞けば、
「え？」
ジスは首を傾げた。
「ジスは、私のして欲しいことは口に出さなくても、してくれるじゃない？だから、エスパーなのかなって。」
「…エスパーじゃないよ。ただ、Aを愛してるだけ。」
ジスはエスパーじゃないらしい。
でも意味がわからない。
やっぱり、ジスは不思議の国の住人なのかな。
「そう言えばさ、スングァンがね。」
ジスは私を抱きしめたまま、ソファに座る。
ジスは何故私にこんなにくっつくのか、わからない。
わからないけど、ジスとくっつくのは嫌いじゃないから、されるがままにして置く。
スングァンが、ジスと私のような恋人が欲しいって話していたらしい。
「どんな恋人？」
ジスと私なんて普通じゃない？
何か特別なことなんてないよ。
「自然と相手を思うような恋人だって。」
ジスの言葉に首を傾げる。
「ソレ、当たり前じゃない？恋人なんだから。」
「ん〜。どうなんだろうね。そうじゃない人もいるんじゃない？」
「居るのかな。そんな人…」
「僕は、幸せものだね。」
そう言って笑うジスは、意味が分からない。
でも、意味がわからないのはしょうがない。
不思議の国のジスだもの。
私はそんなジスを愛してるから、一緒に居られるのは嬉しいし、私の気持ちもジスの気持ちもずっと変わらなければ良いと思う。
「スングァンもいつか望むような恋人が出来ればいいね。」
そう言えば、ジスは、
「そうだね。」
と笑った。
スングァンが将来どんな人と付き合うのかわからないけれど、ジスの大事なメンバーだから、幸せになって欲しいとは思う。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年4月14日 7時
