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Aに何かあったのか。
何もなかったにしてもこれは…。
"僕得"でしかない。
帰宅したら、Aが抱きついてきた。
「お帰り、ジス。」
「ただいま。」
いつもはハグしてもすぐ離れちゃうのに、今日はAは離れない。
僕的には嬉しいんだけど、なにか話があるのかな？
「なに？どうしたの？」
だから、そう聞いたのに、
「ん〜、なんでもない。」
そう言いながら、でも僕から離れない彼女。
え、最近頑張ってる僕に対するご褒美かな？
「ごほうび…？」
「え、？」
おっと、ついつい口から出ちゃった。
「ねぇ、ジス。"ただいま"のキスは？」
そう言って、目をつぶるA。
は？
今、なんて？
今A、"ただいま"のキスは？って言った？
彼女の言葉に動揺していたら、
「ジス？してくれないの？」
首を傾げてAが言う。
しますよ。当たり前でしょう？
彼女の頬に手を当てて、キスをした。
ふふ。と嬉しそうに笑うA。
Specialに可愛いんだけど。
なに、今日は本当にご褒美日なの？
激甘日はこの間あったばかりだよ？
えっと、明日は休みじゃないから、あ〜、でも、僕、頑張っちゃうよ？
なんて考えていたら、いつの間にかAは僕の腕をすり抜けてリビングの方へ行ってしまった。
あぁ、ここは玄関だった。
それから甲斐甲斐しく僕に尽くしてくれるA。
「ねぇ、本当、どうしたの？」
いつもは僕にされるがまま、身を任せてくれているAが、今日は積極的に僕に尽くしてくれる。
僕的には嬉しいけれど、いつもと違った行動は理由を知らなければ、不安になる。
「…私がジスに尽くすのはイヤ？」
じっと僕を見つめるAはそう聞いてくる。
「嫌じゃないよ。嬉しい。でも、いつもと違うのは、落ち着かなくって…。」
彼女を抱き寄せて答える。
愛情表現、とは違う。
Aの行動にはいつだって理由があるんだ。
「嬉しいなら、良いんじゃない？」
ぎゅっと僕をハグするA。
う〜ん、Aが僕に甘いのは嬉しいよ。
嬉しいし、幸せ。
温かい柔らかい良い匂いのする彼女が傍に居てくれるのは癒やしでしかない。
でも、君の行動の理由が知りたい。
何を考えて、そうなったの？
「ねぇ、教えて？」
Aが口を割らないなら、割らせるまで。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年4月14日 7時
