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◎553 ページ13

◎メリッサ










あ、そーゆうことになるんだ。

Aはタレ目、私はツリ目の違いはあれど、基本造形はAと似ている私。

Aに似せた化粧をしてサングラスをかけてしまえば、Aに見えなくもない。
Aの彼氏、ジョッシュは秒で見破りそうだし、多分雰囲気とかが違うから話してしまえば、バレてしまうんだけど。
Aは彼氏と韓国で生活していて、それを対外的に誤魔化すため、定期的にルーカスの事務所に彼女のふりして出勤しているのだけれど…。

まさか、Unnamedではなく、Aのふりをしている時に誘拐されるなんて思わなかったわ。

事務所を出たところで自身の背後に立つ人に声をかけられた。

「Aさんですね?手荒な真似をしたくないので、ついてきてください。」

"違う"と言いたかったけれど、私の背には銃口らしきものが当てられていた。
抵抗らしい抵抗をせず、仕方なく、その人の言う通りに事務所前に停まっていた黒塗りのワゴン車に乗せられたわけだけど…。

さり気なくGPSのついたピアスを触る。
うん、ちゃんとついてる。

私を誘拐した人達は、私とAの区別が付いていない。
なるべく、バレないようにしないとね。
Unnamedは一人で行動することはないからAを狙ったのか、それともAだから狙ったのか…。
なんの目的の誘拐なのか…。

同乗者は素人らしく隙がある。
まぁ、Aがプロに誘拐されることなんて早々ないとは思うけど…。
彼らに気づかれないようにこっそりとバックの中のスマホを操作し、ルーカスにヘルプメッセージを送った。


さて、誰がAを誘拐したのかしら?









「手荒な真似をしてすみません。A様」

高級ホテルに車が停まり、ドアが開けばにこやかな笑顔を貼り付けた男性が私に言った。

あら。
この人は…。
どうしましょう?

「こちらへ。」

有無を言わせず、彼は私の腕を取ると丁寧にエスコートする。
逃さない。
そんな圧を感じるけれども。

とりあえず、言いたい。

人違いなんですが?!





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作者名:ちな | 作成日時:2023年4月14日 7時

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