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◎SEUNGKWAN
僕はシュアヒョンとAちゃんがとても羨ましいんだ。
二人は息をするように自然とお互いを想いあっている。
偶にヒョンは暴走するけれど、そんなヒョンを諌めたりできる彼女は凄い。
Aちゃんは、容姿も性格も良くて、でも抜けていると言うか、常識人のようでいて普通の人とは違う、おかしい時がある。
"彼シャツ"だから、ヒョンがテンション上がったのに、"メンバーもヒョンのシャツを着たら良い"とか、わけがわからない。
"SEVENTEENのメンバーはお揃いが好きだ"とか。
絶対に思ってるよね？
だって、彼女は何かを僕達に贈る時、絶対に人数分同じものをくれるんだ。
僕達成人男性なんだけど、な。
彼女によって、メンバー皆、同じ物を持たされる不思議。
誰か、拒否しようよ。
え、僕？
Aちゃんがくれるものは価値があるものばかりだから断れないんだよ。
彼女はさり気なくくれるけれど、手に入りにくいものばかりなんだよね。
シュアヒョンが彼女と付き合っていなかったら、彼女とも出会えなかったよね？
そこはヒョンに感謝してる。
「どうしたらAちゃんのような恋人ができるんだろう…」
そう吐露したけれど、別に解答は得られるとは思っていなかった。
ダンスレッスンの休憩時間、いつもは騒がしいのに、なぜか僕の言葉はそこにいた人全員の耳に入ってしまったようだ。
ニコリと笑顔を浮かべるシュアヒョンは、
「Aは"僕の"だから、スングァンにはあげないよ？」
と言った。
あ、目が笑ってない。
「Aちゃんは魅力的だけど、そうじゃない。Aちゃんが欲しいんじゃなくて、ヒョンと彼女のような関係の、恋人が欲しいなぁって…」
僕の言葉を聞いて目を細め始めたヒョンは最後まで僕の話を聞いて、ふぅとため息をついた。
「僕達のような恋人？」
そう言いながら首を傾げるシュアヒョンに、
「だって、ヒョン達は自然と相手を思ってるよね？」
そう言えば、ヒョンは嬉しそうに笑った。
「うん。いつだって僕は彼女を愛してる。」
そう幸せそうに言うヒョン。
「スングァン、シュアとAちゃんは普通じゃないから、憧れちゃダメだ。」
ハニヒョンが僕の肩に手を置いて言った。
確かに普通じゃない…かな。
「シュアのような愛の重いヤツもなかなか居ないし、シュアの我儘を可愛いと言うようなあんな子、なかなか居ない。」
「…ですよね〜。」
そう言いながらも羨ましいと思ってしまうんだ。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年4月14日 7時
