FULL MOON 5 (ページ5)

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張り切ったらしいページ5

☆

なんかすごいな…。

日本の音楽番組に出ることになったんだけど、控室が凄いことになってた。

「コレは何？」

ジュノが呆然と呟く。
机に所狭しと置かれている差し入れ。
扉の前には花輪。
扉には暖簾がかけられている。

コレって舞台俳優の楽屋だよね？
私の俳優組の保護者達が張り切ったみたいだ。

「なんか、差し入れ？とか色々だな。」

マネさんが呆れたように呟いた。
FULL MOON様と書かれた紙に、それぞれの送り主の名前…。

「彩乃、後でお礼するから…」

私がそう言うと、彩乃は手帳を出して、

「はい、チェック済みです。」

と返してくれた。
流石、仕事が早い。

「ぶっ、ナニコレ。舞台俳優の楽屋ですか〜？」

そう声がして、そちらを見ると、何故か浴衣を着た健君がケラケラ笑っていた。

「あ、健くん？」

「お〜、A。皆、張り切っちゃった感じ？」

片手を上げて言う彼に、

「…そうみたい？」

と首を傾げて、答えれば、彼は私の頭を撫でながら、

「俳優共は馬鹿だなぁ。」

と呟いた。
そして、私の顔を覗きこむと、一つ頷いた。

「うちのAがオセワになってるね。これからも宜しく。」

控室に入っていたメンバーに、視線を向けると、そう言う健くん。
メンバーは、慌てて、"はいっ"と返した。

「あ〜、健さん、こんなとこにいた。撮影始まるよ〜。」

廊下から、のんびりとした声がして、顔を出したのは、隆之介くんだった。

「あ、A。今日、頑張ってね。見てるから。」

隆之介くんはそう言うと、私の頭を撫でて、健くんを引っ張って行った。
なんだろ？二人はいつも一緒だな。

「と、とりあえず、これ食べていいの？」

差し入れを片手に持ったジュノの言葉に、マネさんが、

「程々に、な。」

と答えた。

あ、コレ。私が好きなお菓子だ。

…