FULL MOON 5 (ページ12)

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乗り切った。ページ12

☆

日本での仕事はとりあえず終わり、ワールドツアーに入った。

「またね。A」

と、忙しい中、見送りに来てくれた亮君にバイバイして、渡米する。

「Aが荷物持ってるの、不思議」

「渡韓や渡日の時は荷物ないもんな。お前。」

なんてジュノやシウに言われた。
まぁ、荷物は全部、彩乃が用意したんだけど…。
私は何を持って行けばいいかわからないし…。

行く先々では、沢山のファンが待っていてくれて、嬉しかった。

毎度、ツアーでは、調子に乗って怪我する私も、今回は怪我せずに、ツアーを乗り切った。
数週間、頑張ったよ。

「珍しい」

とマネさんには、言われてしまったけど、毎回柱に激突するわけでも、マイクを振り回すわけでも、ないんだけど。
これでも、一度失敗したことは二度目がないように、気をつけているんだよ？
同じことを繰り返すのは愚か者でしょう？

マネさんやスタッフ、彩乃のサポートと、シウとソジュナとジュノとステージに立てる幸運に感謝しなきゃね。

▽

翌日の移動中、

「トイレ行ってくる〜」

と、ジュノが凄い勢いで走って行ってしまった。
マネさんが慌てて追いかける。

「待ち、だな。」

シウがそこにあったベンチに座る。
ソジュナが、

「飲み物、買ってくるよ。」

と目の前のSTARBUCKSを見て言う。

「私も行く。彩乃、シウの傍に居て。」

私がそう言うと、彩乃はさり気なくシウの後ろに立ち、

「はい、気をつけて。」

と言う。
シウと同じベンチに座らないなんて、我が秘書ながら、徹底してるなぁ。

「ほら、行くよ。A」

と手を出すソジュナ。
その手を握った。

一応、身バレ防止の為、帽子とサングラスをしている。
韓国でも日本でもないし、そんなに気をつけなくても良いと思うんだよね？

「シウは、何がいいかな？」

「なんでもいいんじゃない？」

「前の人みたいに思いっきり甘くしてみる？」

「絶対、怒られるって。」

二人でコソコソ話していたら、前の人達がこちらを振り向いた。

「あっ、」

そう言う前の人達に首を傾げた。
私達のこと、知ってるのかな？
え、私達も有名になった？なんて思っていたら、

「Aは何にする？」

平然とソジュナに言われた。
前の人達が私達になにか言いたげなの、気づいてるはず、なんだけどな。
まぁ、いっか。

亮君、ワールドツアーは怪我なく終えたよ！

…