FULL MOON 5 (ページ9)

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全員だったらしい。ページ9

☆シウside

「「お菓子、お菓子〜」」

喜ぶジュノに合わせて歩くA。
それを満足げに見ながら、歩いている山崎氏。

「あの、高月氏って…」

マネさんが吉沢氏に聞いた。

「あぁ、Aの保護者のうちの一人です。テレビ局の多くの人気番組のメインスポンサーやってますね。」

吉沢氏は、苦笑いしながら、答えた。

"Aのホームで無体はないと思うけど"

先日の"涼介くん"の言葉が頭をよぎる。
え、こういうこと？
Aは、まるで、ジュノや俺やソジュナのような立ち位置にいるのか？

「誰に指示されたんだろうねぇ。」

スマホをいじりながら小さく呟く吉沢氏。

なんとなく、この優しげなイケメンお兄さんの裏の顔が見えた気がした。

「ねぇ、亮君、」

くるりと振り向いて、彼に話しかけるAには、蕩けるような笑顔を向ける吉沢氏。

「なぁに？A」

「おじさんち、亮君も、賢人君も行くよね？」

「あぁ、うん。折角だしね。」

そんな話をしている二人。
マネさんをチラリと見れば、米神を指で抑えていた。

あ、マネさん、ごめんね。

心の中で謝る。
俺達三人、一人一人の出目にも頭痛いだろうに、Aもまさかの、お嬢様疑惑…。
頭痛いよな〜。

結局、新しい司会者で、収録は二時間後に再開。
無事終えた後、俺たちはAのおじさん家、とても広い豪邸に招かれ、豪華な夕食をご馳走になった。

Aが俺達の出目に臆さかったのは、そういうことだったんだな。と、今更ながら気づいた。

彼女は、イケメンに臆さないとか、ちょっと普通とは違うから、俺達がめちゃくちゃボンボンでも、臆さないのかと思った。

そうじゃなかったんだな。

まぁ、寮は入れないからって、ぽんとマンションを買っちゃう子だし、そーだよなー。

「全員か、全員、ボンボン、嬢ちゃんだったのか…。」

夜、マネさんが小さく呟いていた。
うわぁ、全員だったね。マネさん。

…