323.僕のもの ページ23
▽Joshua
BTSの帰国に合わせて休みを取って彼女の家に来たら、Aがユンギさんに膝枕をしている場面に出くわした。
ユンギさんは兄だってわかってるよ。
だけどさ、例え他意がなかったとしても、Aの膝枕は僕のものなんだ。
これは決定事項。
ちゃんとAに言っておかなきゃね。
「Aの膝枕は僕のものだよ？」
僕は真剣にそう彼女に言った。
「は？」
キョトンとした顔をして、そう言うA。
そんな彼女も可愛いけど。
「僕以外にしたらダメ。ユンギさんでもダメ。」
しっかりと彼女の目を見つめて言った。
彼女は呆れた目をしているような気がするけど、ここは譲れない。
「…ジス、とりあえずご飯食べようか？」
「デリバリーする？」
ポケットからスマホを取り出して言えば、
「ん〜。手の込んだたものじゃなくて良いなら、作るけど…？」
そう言う彼女。
Aの手料理を食べられるのは嬉しいけど、Aも帰国したばかりだし…。
「うん。でも、疲れてない？」
「大丈夫。ジスはシャワー浴びてきて。」
そう言われて肩を叩かれた。
キッチンに行こうとする彼女の手を握って、
「いや、手伝う。」
と言えば、Aは、
「そう？じゃあ、手伝ってもらおうかな？」
ニコリと笑ってそう言ってくれた。
「え、僕がつけるの？」
引っ越し祝いに彼女に贈ったフリフリエプロンは何故か僕がつけることになっていた。
僕はなんでも着こなす自信はあるけどね？
「だって、ジスがつけたほうが似合うよ。」
そう言う彼女はカフェの店員のようなシンプルなデザインのエプロンをしていた。
「僕はコレをつけたAが見たいのに…」
そう言ったのに、彼女に華麗にスルーされてしまった。
絶対に普段使いでこのエプロンを使ってもらうぞ！
新たな決心をしている間にAはさっさと料理を仕上げていく。
手の込んだものじゃないと彼女は言うけど、彼女の手は魔法みたい。
どんどんと美味しそうな料理がテーブルに並んでいく。
「これくらいでいいかな。」
ふぅと一息ついてそう言ったA。
「美味しそうだね？」
久しぶりのAの手料理に僕のお腹がぐぅと鳴った。
そんな僕に、
「たくさん召し上がれ」
と笑顔を見せてくれるA。
本当、僕のAは素晴らしい彼女だよね？
彼女の膝枕は僕のもので、誰にも絶対に譲らないからね。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年11月19日 9時
