321.使えるものは使う ページ21
▽JK(BTS)
ヌナを守るのは俺としては当たり前なんだけど、ヌナを守るためには使えるものは全部使わないとね？
飛行機での話や宿泊フロアの話をしておけば、ヌナの彼氏はきっとヌナに張り付くはず…そうなれば、ヌナの身の安全は確保されるよね。
俺にとって最優先事項はヌナの安全。
あの彼氏なら自分以外の男はヌナに近づけないってわかっていたから利用した。
「グク、心配してくれたのはありがとう。でも…」
ヌナは申し訳無さそうにそう俺に言う。
ヌナの彼氏は、SEVENTEENだから自分の事で煩わせたくないんだって。なんて、彼女の鑑なんだ。
まぁ、でもヌナが彼氏にしているんだし、今は仕方ないか。
彼がヌナを大事にしている間は、ねぇ？
ヌナを泣かせたら許さないけど。
「分かったよ。ヌナ、ごめんね。」
そう言えば、ヌナは
「こちらこそ。ごめんね。」
と言ってくれた。
本当、ヌナはできた人間だよね。
可愛くて優しくて気遣い上手で仕事も出来る。
本当にユンギヒョンと血が繋がっているのかな。
ちらりとヒョンを見れば、
「なんだよ？」
と眉を寄せて言われた。
「別に。なんでもないです。」
そう答えながら、ヒョンとヌナの似ているところは肌が白いとこだけだなぁなんて思ったりした。
ヌナの言う通り、暫くは
それにしても、機内でヌナに話しかけてきたっていう一般人が気になるな。
特にイケメンとか、そういうことはなかったみたいだけど…。
ヌナ、"意味わからない人"って言ってたし、聞いても良いかな！？
「ねぇ、ヌナ。キム・スンギって何者！？」
首を傾げてそう聞けば、ヌナは困った顔をして、
「同郷の同級生なんだけど…学生時代に告白されて付き合ったことがあるの…数日だけ。」
「「「数日！？」」」
俺達の話に聞き耳を立てていたらしいヒョン達が思わずと言った風に口に出した。
あ、ヒョン達、話聞いてたの？
「うん、なんか私以外に彼女だという人が沢山居て…だからすぐに別れた。」
「アレは…ほんっと、意味わからなかったよな。」
ため息を吐くヌナに同意するユンギヒョン。
ヒョンは当たり前にこの話を知っているらしい。
学生時代のヌナか…。
可愛いかっただろうなぁ。
そんな男と数日でも付き合ったのは黒歴史なんだろうなぁ。
「大変でしたね。」
そう呟けば、ヌナは苦笑いした。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年11月19日 9時
