320.お前かっ ページ20
▽Yoongi
先発隊からやっと俺達の番になった。
「ねぇ、VIP対応だとするならさ、しっかりリハーサル出来るように先発隊にするべきじゃないか、と僕は思うよ。」
空港の廊下を歩きながら、ジミンが不満げな声で言う。
「うん、そうだよね？後発隊になればなるほど、リハーサルの時間ないよね？」
テヒョンも同意し、二人はマネヒョンを見た。
「し、仕方ないだろ？ギリギリまで国内の仕事があったんだから。」
マネヒョンはそう二人に返す。
「それにしてもさ〜。」
そうジミンが呟いた時、ゲートが見えてきた。
「ほら、行くぞ。」
ナムの言葉にメンバーは笑みを顔に浮かべた。
Aは先発隊だから、今はホテルで俺達の到着を待っている。
飛行機内での事から後、特には何もなさそうだが…。
笑顔を浮かべつつ歩いて、待っていた車に乗り込み、ホテルへ向かった。
「あ、皆、お疲れ様〜。」
ミーティング用の一室にAは居た。
「お疲れA。どんな感じ？」
ナムがそう声をかけ、
「会場入り後、すぐリハーサル。衣装つけて待機です。」
Aはニコニコしながら予定を話す。
「うわ、ハードだな。」
眉を寄せるホビ。
「本番終われば美味しいご飯あります。ホビオッパ、ファイティン。」
「ん〜、頑張るぅ」
「はい。じゃあ、移動しましょう。」
テンポよくAに動かされる俺達。
「A居るとスムーズだよな」
マネヒョンがため息交じりに呟いた。
「そう言えばさ、飛行機の隣の席のヤツって…」
移動車で隣りに座った妹にそう話しを切り出す。
「あ〜、キム・スンギだった。」
眉を寄せてそう告げるA。
キム・スンギって、告白されて付き合い出したけど、最短で別れたあのよくわからない男か？
「は？あの？」
「そうそう。なんか、大人になっても意味わからない人だった。」
ため息をついて言う妹。
「そう言えば、ジスにその話と昨日のホテルの話したの、オッパ？」
「え、俺はアイツに連絡してないぞ。」
「そうなの？じゃあ、誰だろ。ジスが知ってたんだよね。スンギの話もホテルの話も。昨日、部屋に押しかけられて…。」
「あいつ、お前の部屋に泊まったのか？」
「うん、」
ため息をついて頷く妹。
なんだか、疲れていたのはアイツの相手をしていたからか。
「あ、ソレ、俺です。」
俺達の話を聞いていたらしいジョングクがそう声をかけてきた。
…アイツに情報渡したのはお前かっ。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年11月19日 9時
