313.珍しい ページ13
▽Yoongi
Aが一緒に行動している後輩からの日本到着連絡を受けた。
「「「は？」」」
思わずそう声が出てしまうのは仕方ない。
なぜ？
Aの隣の席に同級生(男)が乗ってんだよ。
話しかけられて、連絡先を貰うって…。
「連絡先はマネヒョンに破棄してもらいました。」
輝かしい笑顔で言うスビン。
お前、ジョングクと同じ属性か。
「良くやった」
そうグッドサインを送るジニヒョン。
いや、良くやったじゃなくて…。
「だから、僕らと一緒に移動すればよかったんだよ。」
「そうだよね。わざわざ後輩と移動してもそうなるならさ。」
ブツブツと呟くジミナとテヒョンア。
「とりあえず、ご苦労さま。」
ナムのその言葉で、後輩達との通信を切った。
「ねぇ！早く行こうよ！」
「心配だよ！ねぇ、グク！」
早く日本に行きたいジミナとテヒョンアはジョングクを巻き込もうとした。
スマホを見てニヤニヤしていたジョングクは、
「え、あ、まぁ…」
と何やらはっきりしない。
いつもなら、YES、NOをはっきりする彼が珍しい。
「なに、グクは早く行きたくないの？」
「いや、早く行きたいですよ？でも…」
ジョングクはちらりとマネヒョンを見た。
今回はフェス開催のため、結構な数の同業者達が渡日する。
一般客の混乱等を避けるため、各事務所連携して、スケジュールを組んでいるはず…だからこそのA前乗りなんだけれど…。
「Aは大丈夫だから！スケジュールの変更はなしだ。」
マネヒョンの言葉にがっかりするジミナとテヒョンア。
ほっとするジョングク。
「グク、何ほっとしてんの？」
そう聞けば、ジョングクは
「今、ヌナと連絡を取り合ってるので…」
と呟く。
彼曰く、一緒に居る時は会話するけれど連絡を取り合うことはないから、連絡を取り合う今、楽しいんだとか。
まぁ、毎日、顔を合わせているのにわざわざ連絡はしないよなぁ。
「ヌナからのメッセージが残るし…」
ニヤニヤしながら言うジョングク。
はたから見れば、遠距離恋愛をしているみたいだな。
まぁ、ジョングクが楽しいなら良いのか。
それにしても、Aが声をかけられ、ずっと話しかけられていて、連絡先を渡されたなんて珍しい。
Aは断りそうなのに…。
同級生だったからか？
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年11月19日 9時
