300.あれ？ ページ50
▽HOSHI
「あれ、まだあの人居たんだ」
Aが何故かスタッフに絡まれてて、その場が静かになっていたからか、そう誰かが呟いた言葉はその場に響く。
「あの人、自分が上手くいかなかったからって毎度毎度あぁして女性スタッフに絡むんだよね〜。」
「Aさんに彼氏？が居たなんて聞いたことないけど。」
「いつもの妄想でしょ？あの人手当たり次第に絡むから。」
「そろそろクビにして欲しいよね。ホント迷惑な話。」
そう話すNU'EST先輩達。
と、言うことはあのスタッフは
皆、さり気なく聞いているんだろうなぁ。
HYBEのスタッフも
「あれ？なにこの雰囲気…お前達、そろそろ準備しろよ。」
打ち合わせで席を外していたマネージャー達が戻って来て、そう自分の担当アイドル達に声をかけていく。
シーンとしていた部屋にざわざわと雑音が戻って来た。
ちらりとシュアヒョンを見ると、彼は目を閉じて、目頭を揉んでいる。
Aがあのスタッフに絡まれている時、瞬きもせずに目を見開いてあのスタッフをガン見してたもんね？
ヒョンが正気を失うんじゃないかと俺達は肝が冷えたよ。
それからはなんとかスケジュールをこなし、事務所主催の大イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。
▽
「ミニョン、レン、フォローありがと。」
AとNU'ESTのミニョン先輩とレン先輩が人が居ない廊下で立ち話をしていた。
「いやいや。災難だったね。A」
「ふ、あの切り返し。A、流石だね〜。」
あれ？
ミニョン先輩とレン先輩は、どことなくAと仲が良さそう？
「あはは…。じゃあ、また。」
Aは苦笑いして、時計を見て去っていく。
「うん、またね。」
「バイバイ」
先輩達もAを引き止めることは無かった。
え、どういうこと？
Aって先輩達と仲良かったの？
疑問に思っても、俺は直接彼らに問いただす術を持たなかった。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年7月10日 21時
