299.不愉快な女 ページ49
▽JK(BTS)
今日は事務所主催の事務所所属アイドルが系列も含めて大勢集まるイベント。
ヌナの危機も去ったから、会場に彼女は来ていて、ステージをヌナに見てもらえるからヒョン達も張り切っていた。
「SEVENTEENも居るんだね」
小さく呟くホビヒョンは不満げ。
仕方ないでしょ？
彼らは系列になったんだから。
今日は広い部屋にアイドルがすし詰めで待機しているから、TXTもSEVENTEENもNU'ESTも居る。
それぞれのスタッフで現場はごった返していた。
「あら、Aさんじゃない！」
俺等から少し離れたところに居たヌナに大きな声で話しかける女性スタッフ。
「…グク、」
ユンギヒョンは眉を寄せて、俺の名を呟く。
「はい。ヌナのとこ行ってきます。」
準備ができている俺はそう答えて、ヌナのところに急いだ。
「あら〜、いつの間にか居なくなったと思ったら、所属替えたの？
それもそうかぁ。誰だか知らないけど、アイドルと付き合ってたんでしょ？
Aさんったら、あんなに頑張ってスタッフしてたのに、捨てられちゃったんだねぇ。あははは〜」
スタッフの女はそう言ってヌナを指さして笑った。
「可愛い顔してるからって調子に乗るからよぉ。可哀想に〜！」
大声で話す内容じゃない。
周りに居たスタッフは眉を寄せた。
SEVENTEENの居る方を見れば、メンバーは顔面蒼白で、ヌナの彼氏はじっと騒ぐこの女を見ていた。
「え〜と…」
ヌナは困ったように自分に話しかけている女を見ている。
「貴女、だれ？」
首を傾げて女に聞くヌナ。
「ふ、ふざけてんの？」
「いや。え、貴女の事、私知らないんだけど、」
困ったように眉を寄せて言うヌナ。
これ以上女に騒がれるのも不愉快だな。
「ヌナ」
だから、ヌナに声をかけて彼女の腕を掴んだ。
「あ、グク」
「皆待ってるから行こう」
女をまるっと無視してヌナを連れて行こうとしたら、
「ちょ、アンタ、ジョングク？なんでジョングクが…」
と女は騒ぐ。
無視しても煩いな。
誰かこの女回収しないの？
「ちょ、キムさんなんでここにいるんだ？アンタ、裏方でしょ。現場はあっちだよ。」
ある男性スタッフが女を回収しにきた。
「え、あ、だって」
そう云う女を無視して、男性スタッフは彼女の腕を掴み、部屋から追い出した。
「なんだったんだろう？」
ヌナは本当に不思議そうに呟いた。
「さぁ？」
そう言いながら、ヌナを俺達の待機場所へ連れて行った。
ヌナを煩わせる人はいらないよね？
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年7月10日 21時
