だから、言ったじゃん。Ⅶ (ページ48)

今日:3 hit、昨日:59 hit、合計:151,485 hit

298.私のオンニページ48

▽シア

「え、そうなんだ。」

困ったように眉を寄せて頬に手を当てるAオンニ。
そんな姿さえ絵になる。
あ、私達の傍を通るスタッフがオンニをガン見してる。
そうよね。
オンニはどんな仕草も人目をひく…
アイドルになったとしても不思議はないくらいの人だもの。
実の兄がユンギ氏なんだから血筋なのかしら？

私がスカウトした子から聞いた話、"オンニの事務所の練習生達が、デビューした際はスタッフとしてオンニについて欲しいらしい"と思っている事を彼女に話した。
オンニは眉を寄せて、

「…困ったね。」

と呟いた。

「望まれるのは嬉しいけど、今はまだオッパ達と仕事していたいな。」

オンニは苦笑いして言った。
SEVENTEENのスタッフだったことなんて思い出せないくらいオンニは今の職場に馴染んでいるし、チームワークよく仕事していた。

「オンニはなんでアイドルにならなかったの？」

思わず聞けば、彼女はきょとんとした顔をして、

「なんで、って。オッパと違って私には才能ないもの。」

そう言い切ってしまうオンニ。
オンニは才能ないわけじゃないだろう。
歌とかダンスは確かにセンスや才能が必要だけれども、それは後付で…練習でなんとかなる。
アイドルに一番必要な、天賦の才、"人を魅了する才能"は後付ではどうにもならない。
オンニはソレを持っているのになぁ。
勿体ない。
まぁ、でも、オンニは楽しそうにスタッフの仕事をしているから、彼女はステージに立つよりサポートする方が好きなんだろう。
才能を持っていても本人が望んでいないなら、アイドルにならなくても良いよね。

「A！会議室1に30分後集合かかったよ。」

「あ、はい。じゃあ、シア。またね。」

ニコリと笑ってそう言ったオンニは声をかけてきたスタッフと歩いて行ってしまった。

アイドルという職に興味のないオンニみたいな人は一定数居るんだよね。
それにしても練習生に憧れられてる"スタッフ"って変な感じだけど、オンニを見たら納得ってなっちゃうんだよなぁ。
オンニがサポートしてくれたら、なんでもできちゃうような万能感に満たされるって言うか…。
BTSのメンバーも最近調子良いし。

「あ、シア。ちょっと相談があるんだけど時間ある？」

「はい、良いですよ。」

私もオンニと話した後は暫く調子が良い。
オンニは不思議な力でも持ってるのかしら？

…