だから、言ったじゃん。Ⅶ (ページ40)

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290.可愛い顔して恐ろしい子ページ40

▽JIMIN(BTS)

「え、そうなんですか？」

撮影の待ち時間に珍しくジョングクに電話がかかってきた。

「はは、思ったより簡単だったね。ありがとうございます♪」

彼は機嫌良く話して電話を切っていた。

「ヒョン、」

スマホ片手にニコニコと僕を見たジョングクは、

「片付いたみたいだよ。」

と言った。
なにが？と聞きそうになって、彼が自身の唇に人差し指を当てたのを見て、一つ息をつく。

「へぇ。早かったね。」

そう無難な言葉を返せば、

「思っていたより、単純だったみたい。」

ジョングクはそう言って笑った。

多分、身代わりが成功したってことなんだろうなぁ。
ジョングクの指示通りに動いたけど、Aの代わりに一緒に食事したあの人…ソニアだっけ？
シュアに会わせろアピールが凄かったなぁ。
会えばどうとでも出来る、なんて思ってたみたい。
シュアにはAがいるから、会っても無駄だと思うんだけどね。
テヒョンアも"苦笑いし過ぎて顔が痛い"って会食が終わったあと呟いてたな。
それにしても、一度で身代わり成功するなんて、彼女は注意力散漫なのか、警戒心が薄いのか。
こちらとしてはありがたい限り。

ジョングクの思い通り？に事が運んだわけだ。
可愛い顔して恐ろしい子。

ジョングクをマンネと侮るなかれ、Aが絡むと彼は自身の多種多様なコネクションを惜しげもなく使い、彼女を守る。
ヒョン達は、目に見える形で彼女を守っているけれど、実はその裏で彼は自身の人脈を使っていたりする。
最近、その事に気づいた。
彼の"大事な人"を守る事にかける執念は凄まじい。
凄まじいし、彼は確実に彼女を愛しているけれど、Aの彼氏にはならないんだって。
僕にはその彼の考えがよくわからない。
だって、好きなら"自分のもの"にしたくなるじゃない？

まぁ、でも、今のところAの彼氏はシュアだからなぁ。
シュアとは友達だから。とかそんな理由で手を出さないんじゃなくて、なんだかシュアはヤバイ奴になってる気がするんだよね？
なんだろ？
ただの僕のカンだけど。

ハニとチョルの話とか聞いてると、え、シュアってそんなヤツだったっけ？って思うことしばしば。
シュアはAに関することだけ、なんだかオカシイ。

ジョングクもだけど。
男を狂わせるナニカがAにはあるのかなぁ？
なんて、そんなわけないか。

噂じゃ、ソナは事務所をクビになったそうだ。
ホント、最後まで迷惑な人だった。

…