だから、言ったじゃん。Ⅶ (ページ39)

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289.選択ページ39

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諸事情により、連休を頂いて数日。
何日休暇をもらったのかわからないジスはずっと家に居る。
それは私にとって有り難くもあるのかもしれない。
一人になるとどうしたって色々考えてしまうから。

オッパ達が対処する、との話だったから、口も手も出さなかったけれど、アイドルであるオッパに対処させるのはスタッフとしてどうなんだろう？と思っていた。
オッパの妹としてならそれも有りなのかもしれないけれど、オッパはトップアイドルで私はスタッフだ。

今回相手は"スタッフ"としての私を排除しようとしたんだよね？
今回の件でオッパ達が怪我をしたら？
いわれなき誹謗中傷をオッパ達が受けることになったら？
オッパ達の輝かしい未来にケチが付いたら？
と思考はぐるぐる回る。
常により良い方を選択しているはずなのに、私は選択ミスをしたかもしれないな。と考えていたら、

「何、考えてるの？」

と、ジスが聞いてきた。
私の隣に座り、当たり前のように私を抱き寄せる彼は私が話すまで離れない気だ。
一つ、ため息を付いて

「今更だけど…」

と、自分の選択ミスの可能性について話す。

ジスは私の手を握ったり、指を絡めたり、揉んだりしている。

ジスは私の話聞いてるの？と思いながら、彼を見ていれば、

「選択肢が有るということはさ、結果は一つじゃないわけでしょ。たまたま今回の選択ではこう言う結果だった。その結果にAが納得できないなら、次の時に違う選択をすればいいだけ。」

そうジスは言うと私の手の甲にキスをして、

「どんな結果だろうと、僕はいつだってAの選択を尊重するよ。あぁでも、一つだけ例外はあるけど。」

と言った。
彼の言葉を聞きながら、尊重してくれるんだ〜なんて思っていたけど、あれ？例外があるの？

「尊重してくれるんだよね？でも、例外があるの？」

「うん。」

ニコニコと笑いながら言う彼。
例外は教えてくれないみたい。

「そんなことよりさ、この雑誌の僕、格好良いでしょ？」

彼の手には彼が表紙を務めた日本の雑誌。

「うん、格好良いね。」

「でしょ〜？僕のお気に入りは…」

上機嫌のジスは語りだす。

この雑誌は、私がSEVENTEENのスタッフを外れたことを知らなかった日本の雑誌社の人がSEVENTEENのメンバーが表紙だから。とたまたま送ってくれたものである。
この雑誌、もらっておいて良かったな。

…