だから、言ったじゃん。Ⅶ (ページ31)

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281.弟として。ページ31

▽JK(BTS)

"今は特にないかな。ありがとう。"

ヌナからのカトクに頬が緩む。
ヒョン達が面倒をおこして、ヌナはまた現場に来れなくなったけど、ソレを口実にヌナに毎日連絡できるし、ヌナが頼ってくれるから、これもまた悪いことばかりじゃない。

ヌナの家には彼氏が来ているけど、俺はヌナの身内(弟)の立場だし？
彼氏なんてヌナの気持ちが離れて別れたらおしまいな関係じゃん。
彼氏って立場は、今、ヌナの隣に立てても未来永劫その立ち位置に居られるわけじゃないから、ねぇ？
身内(弟)の方が死ぬまでヌナの傍に居られるんだよ？
一時的な欲を優先するより、長期的な利益を俺は優先する。
ヌナにとって、頼れる弟であり続けたい。と思うんだ。

ヒョン達は頑張ってソナを排除しようとしてるけどさ。
ソナを排除して終わりじゃないんだよな。
ヒョン達、わかってるのかな？
今、ヌナが危険なのは、ソナが居るからじゃなくて、ソナが依頼したヌナを付け狙う害悪、所謂実行犯が居るからだってこと。

実行犯を捕まえなきゃ、ヌナは安全にならないんだよ？

ちらりとソナについて話し合うヒョン達を見る。

…わかってないみたいだな。

ため息を一つ吐く。
自身のスマホの電話帳を見た。
ん〜、誰に連絡しようか…。

▽

仕事を終えた後一人になって、若かりし日の俺に色々教えてくれた情報通のヒョンに電話をかけた。

『グクが電話してくるなんて珍しいじゃん。どうした？』

「ヒョン、ちょっと話を聞いてほしくて…」

ヒョンにソナのこと、ヌナのこと、事情を詳しく話す。

『へぇ、アイドルも大変だな。』

「そうですね、あと…」

気になっていたこと。
ヌナ宛に空のダンボール箱が送られてきた事を話すと、

『…ソレ、ヤバいな。』

ヒョンはそう呟いた。
空のダンボールは女性を誘拐する手口らしい。

『とりあえず、ソレ仕掛けたやつなんとかしないとグクのヌナが危ないな。』

「ですよね？ヒョン、お願いします。」

『わかった。』

とりあえずは、このヒョンに任せておけば大丈夫だと思う。
ヌナに"ヌナを狙う不届き者を捕まえるまでは、自宅からまだ出ちゃ駄目だ。"って言っておかないと。

…