280.ヤキモチ焼き ページ30
▽Joshua
Aは昨日は午前中戦略会議してたけど、今日からは本格的に休みらしい。
リビングでコーヒー片手に雑誌を見ているAは休日仕様だ。
そんな姿もなんだか絵になるのはなぜなんだろう？
AがSpecialに可愛いから？
まぁ、僕の彼女だからAが可愛いのは当たり前なんだけど。
彼女の隣にピッタリと座り、彼女が見ているのはファッション誌かな？と雑誌に視線を向けて、たまらず彼女に声をかけた。
「ねぇ、A」
「ん〜、なに？」
「今日から休みだよね？」
「そうだね〜、」
そう僕に返しながらも彼女の視線は雑誌に向いている。
だから、彼女の見ている雑誌を閉じた。
「ジス？」
僕の行動を咎めるように僕の名前を呼ぶAの両手を握る。
「A、お休みの時は僕以外の男に目を向けないで。」
彼女が見ていた雑誌はBTSのメンバーがモデルをしていたり、彼らのインタビューが載っていたもの、だった。
彼女が仕事の延長で見ていたことなんてお見通し。
せっかくのお休みなのに、せっかく僕がいるのに僕以外の男を見るなんて許せない。
「ジスは…いつの間にか随分とヤキモチ焼きになったのね、」
僕にそう云うA。
「初めから、だよ。」
「え、」
「Aと出会った時から僕はヤキモチ焼きだった。ずっと。」
そう、Aに群がる男に僕はずっと嫉妬してた。
スタッフもメンバーもAに馴れ馴れしくしないで欲しかった。
呆然とした顔で僕を見ていたAが、ふっと笑った。
「それは知らなかったなぁ。」
彼女はそう呟く。
「じゃあ、ジス、一緒に見ようか？」
そう言ってAが取り出したのは、僕が個人で表紙を飾った日本の雑誌で、僕以外のSEVENTEENのメンバーもBTSのメンバーも載っていない日本でしか発売してないもの。
わざわざ買ってくれたの？
そう思ったら、緩む頬を引き締められない。
「…うん、感想を聞かせて？」
「感想って、なんだろうな。」
眉を寄せて小さく呟くA。
「どの僕が一番格好良いとか、そういうのだよ。」
そう僕が言えば、ちらりと僕を見たAは、
「今、目の前にいるジスが一番格好良い…けど。」
と当たり前のように言った。
そんなこと言われたら、ねぇ？
彼女を抱き寄せその頬にキスをした。
「ジス、」
「うん？」
「そんなにひっついたら、見にくい。」
そう言いながらも僕の好きにさせてくれるA。
幸せだなぁ。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年7月10日 21時
