278.ご機嫌な彼 ページ28
▽
「ふふっ」
朝からジスはご機嫌だ。
休みをもぎ取ってきたらしい彼は家に連泊できるのが嬉しくて仕方ないみたい。
朝ごはんを食べ終えて、今日の予定を聞いてきた彼にリモートで仕事があると言えば、
「えぇ、A、休みじゃないの？」
と眉を寄せて言うジス。
「午前中だけ。」
そう言いつつ、リモート会議の準備をする。
そんな私を見て、
「Boo〜！」
ブーイングをするジス。
「これが終わったら休みだから。だから、ジス、良い子にしてて？」
彼にそう言って、彼の頭を撫でる。
彼は大きなため息をついて、
「良い子にしてる、」
と呟いた。
▼Joshua
" コンセプトとしては…。"
" 衣装は…"
「これが良い。」
" じゃあ、それで行こう"
" 次、Vなんだけど…"
リモート会議をしているAを見つめる。
こんなことになったのはユンギさん達のせいだし、こんな時くらい仕事を休みにすればいいのに…。
でも、資料をいっぱい並べて所謂戦略会議を真剣にしているAは格好良い。
いつもは見られない仕事をしている彼女を見ているのも良いんだけどね。
彼女の向いの席に座り頬杖をついて、Aの仕事が終わるのを待った。
「じゃあ、それで。お疲れ様です。」
" お疲れ様"
" A、ゆっくり休んでね〜"
「はい、じゃあまた。」
お仕事終わったみたい。
伸びをしてから、資料を片付けているA。
リモート会議で使ったノートパソコンの電源が落ちてるのを確認して、コーヒーを持って近づく。
「A、お疲れ」
そう声をかけて、Aの手元にコーヒーを置くと、
「うん、ありがとう。」
Aはそう答えて、コーヒーを飲んだ。
お仕事終わったら、休みって言ってたよね？
じゃあ、もう休みだよね？
彼女の背後から抱きついた。
「ジス？」
「…もう休みだよね？」
「まぁ、うん、」
「なら、もう今はプライベートでOK？」
「？そうだね、」
「僕は良い子にしてたよ。」
「そう、だね。」
「ご褒美タイムだよね？」
「え、」
「良い子にしてたから、ご褒美タイムでしょ？」
「ご褒美タイムって、なにするの？」
「それは、勿論…」
ご褒美タイムって言ったらさ…Aったら、僕に言わせるの？なんて思いながら、
「僕はAの言いつけを守って良い子だったので、今度はAが僕の言うことを聞く番だよね？」
そう彼女に告げたら、彼女は深くため息を付いた。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年7月10日 21時
