272.守るために ページ22
▽JK(BTS)
巫山戯てるよね？
せっかく楽しく仕事してたのに、またヌナが現場に来れなくなった。
アレに勘違いさせたヒョン達も悪いんだけどさ。
自分の力量？を見誤るなんて、あり得ない。
「グク、急に悪い」
ミンギュからいきなり呼び出された。
「いや、大丈夫。」
急ぎだと言うし、仕事の合間に時間を見つけて、彼と会った。
"ヌナのことで"って言うから。
「コレ、聞いて欲しい。」
そう言ってミンギュは自分のスマホを見せ、ワイヤーレスイヤフォンを俺に渡した。
ミンギュはアレとたまたま居酒屋で遭遇したらしい。
イヤフォンから流れてくるのは馬鹿で浅はかな計画を得意げに話すアレと男の会話。
「コレ…俺以外誰かに聞かせた？」
そう聞けば、彼は首を横に振る。
ミンギュはいい奴だよね。
自分のところのヒョンに話さずに俺にこの話を持ってくるんだもん。
「Aはもううちのスタッフじゃないから、俺達は何もできない。グクなら、守れるかなって思ったんだ。」
ぐっと拳を握るミンギュ。
ミンギュ、ホント、いい奴。
君のメンバーにヌナの彼氏いるのにね？
「うん、ヌナのことは俺がちゃんと守るから安心して。ただ、ジョシュア氏にだけは聞かせてあげて。」
「え？シュアヒョン？」
「一応、ヌナの彼氏だし。彼は知る権利はあると思う。」
「あっ、そうだ。そうだった。わかった。」
そう言うミンギュはジョシュア氏がヌナの彼氏だって忘れてたみたい。
「あとは任せて。ありがとうミンギュ。」
「Aのこと頼む、な？」
「うん。」
そう言って彼とは別れた。
仕事の合間だったしね。
ミンギュが録音した音声は俺のスマホにちゃんと送って貰った。
この話、誰に言うべきか、悩んだんだけど、さ。
一番、ヌナを守るために必要な人にまず話すことにした。
▽
「セジニヒョン、相談がある。」
「なんだ？」
「コレ聞いて。」
「え？あぁ。」
音声を聞いて顔色を悪くするヒョン。
「ねぇ、今、ヌナは自宅でしょ？」
「あ、そうだけど…」
「暫く、この犯人が捕まるまで、ヌナを自宅待機させることって、できる？」
「いや、自宅待機させないと不味いな。」
「だよね？ヒョン、よろしく。」
「任せとけ…コレ、俺の他に誰かに聞かせたか？」
「まだ誰にも聞かせてないよ。音声はヒョンに送るね。誰に聞かせるかはヒョンに任せる。」
「…わかった。」
これで一応、大丈夫かな？
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年7月10日 21時
