268.他人事 ページ18
▽HOSHI
ニコニコニコニコ。
昨日外泊してきた今日のシュアヒョンは未だかつてないくらいご機嫌だ。
「ヒョン、ご機嫌だね？」
そうジュンが言えば、ニコニコのヒョンは、
「僕はいつだってご機嫌だよ？」
と返した。
え、いつだって？
Aが傍にいなくなった時は、不機嫌だったよなぁ。
「そうだっけ？」
首を傾げるジュン。
そんな会話をしながら、テレビ局の廊下を歩く。
今日は音楽番組の収録がある。
「ちょっとぉ！なんでぇ？」
ふと女の叫び声がした。
あれは…？
足を止めそうになったら、
「そのまま歩いて。関わり合いになったら面倒だ。」
シュアヒョンに背を押されそう言われた。
まぁ、そうか。と歩き出す。
「アレ、ソナでしょ？」
「やっと出禁になったんだ。」
ソクミンとハニヒョンがこっそりと言った。
「傲慢さが鼻につくって同業者がいってたよね〜。」
「デビュー曲をたまたまSUGAさんが手掛けたってだけで、随分と大きい顔してたもん。」
メンバーの間でしか聞こえない声量で話すメンバー達は、足早に廊下を歩いていく。
「Aにおいたするかもしれない子なんていらないもんね。」
小さな声で呟いたシュアヒョン。
俺にしかその声は聞こえなかったみたいだ。
シュアヒョンを見れば、真顔だった。
いつもニコニコのヒョンが真顔って怖っ。
あの女、Aにおいたするつもりだったのか？
Aを溺愛しているBTSのヒョンラインがそんな奴を傍に置くわけ無いじゃん。
「こんなとこで騒ぐとか、迷惑だな。」
ジフンはそう呟いて、ため息を付いた。
「面倒臭いって言ってたアレが居なくなれば、ジミンもテヒョンも助かるよな。」
チョルヒョンも呟く。
あの人、アイドルだけど、ダンス下手だし、なんでアイドルしてるのかな？とは思ったけど…。
うちにすり寄ってくることはなかったから、良かった。
関わりもないヨジャアイドル。
所詮は他人事。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年7月10日 21時
