266.to be jealous ページ16
▽Joshua
急いで仕事を終わらせてAの家に来て、彼女を抱きしめた。
暖かく良い匂いのするAは大人しく僕の腕の中にいてくれる。
Aに話を聞きたいけれど、彼女が僕のものであることをまず確認したい。
僕と付き合っているAが浮気するなんて思ってないけど、Aの手を握った彼は少なからず彼女に好意を抱いているように見えたから。
「…ジス？」
Aが戸惑っているのはわかっているけれど、
「もうちょっと。もうちょっとだけ、こうしてて。」
僕はそう呟いた。
ざわざわするこの気持ちを落ち着けたかった。
暫く彼女を抱きしめていたら、彼女から声がかかった。
僕が聞きたかったこと…彼女とカフェに居た男のことを聞けば、彼は彼女の信用できる情報元だとそう話してくれたA。
スタッフをやっていればそういう仕事もあるよね。
やっぱり、浮気じゃなかった。
彼女の僕に対する愛を信じてたよ。
でも…
「…
「え、なんで？」
「だって、僕は昼間Aとカフェに入れない。窓際の席にも座れないもん。」
そう言えば、Aは僕を抱きしめて、
「ジスの仕事上、それは仕方ないよ。だけど、ジスがそう思ってくれたのは嬉しい。」
と言ってくれた。
あぁ、ズルいな。
そんな風に彼女に言ってもらったら、僕は…。
「ねぇ、A。今日、泊まっても良い？」
彼女の耳元で囁く。
駄目って言われちゃうかな？と思ったけど、
「…ちゃんと連絡するんだよ。」
Aはそう言ってくれた。
「うん！」
そう返事をしながら彼女を抱き返した。
今日はAの家に泊まるって連絡しなきゃなぁ。
僕的に今日はLUCKY Dayなのかもしれない。
たまたまカフェに居る彼女を見つけて、嫉妬したらお泊り許可がおりた。
なんてLUCKYで、なんてHAPPYなんだ。
今はなかなか一緒に居られないから、一緒に居られる時間は貴重だ。
その貴重な時間の使い道はもう決まってる。
「ジス、御飯作るからシャワーしてきて。」
「はぁい。」
なんだか夫婦みたい。
嬉しいなぁ。
僕の感情をこんなにも動かすのはAだけなんだよ？
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2023年7月10日 21時
