264.疑ってはいない。 ページ14
▽Joshua
僕の彼女は可愛い。
僕の彼女は仕事上、異性の知り合いが多い。
たまたま仕事の合間の休憩時間に散歩していて、たまたまそこにあるカフェを見たら、彼女が居た。
だって、本当にたまたまだよ？
彼女に声を掛けようとして、僕は見てしまった。
彼女の隣に座る男が彼女の手を握ったこと。
彼女はさり気なく退かしていたけど…。
ねぇ、その男、だれ？
浮気なんて全くこれっぽっちも疑ってないけど、僕のAの手を握るなんて！
本当は彼女に触れた男に文句の一つも言いたいけれど、僕はSEVENTEENのジョシュアだし、メンバーに迷惑をかける訳にはいかない。
何か揉めて無理やり別れさせられるのも嫌だし、何かあったら僕のためとか言ってAは絶対に身を引いちゃうもん。
そんなことを考えてぐずぐずしていたら、Aは彼と別れてさっさと店を出て行った。
僕が後を追うのは、当然…。
彼女の腕をつかんで、路地に引き込んだ。
幸いここは人通りがない。
だから、ついでに彼女を抱きしめた。
いきなり腕を掴まれて抱きしめられたAは騒がなかったけど身体が強張っている。
「…A」
そう彼女の耳元で声をかければ、彼女の強張った身体の力が抜けた。
「…ジスか。吃驚したよ。」
そう呟くAの肩に額を付けた。
あの男はだれ？だとか、なんでカフェにいたの？だとか。
いっぱい聞きたいことがある。
でも、
「ん、ごめん。」
吃驚したのは本当だろうし、とりあえず、謝った。
「ほら、離れて。」
「イヤだ。」
「えぇ、でも、人目が…」
「今日、家に行って良い？」
「明日休みなの？」
「違う。けど、Aに聞きたいことがある。今、時間ないし…」
そう言ってから、じゃあ、電話するって言われちゃうかな。と思っていたら、
「…わかった。待ってる。じゃあ、ほら、離れて。」
って、あっさりとAは言った。
待っててくれるなら…まぁ、いっか。
「…うん。」
抱きしめていた彼女を離して、でも離れ難くて、手を握る。
「ジス、時間ないんでしょ？仕事戻らないと…。」
そう言いながら僕の手を握り返してくれるA。
「なるべく早く帰るから、待っててね？」
そう言えば、
「わかった。お仕事頑張って。」
と返してくれたA。
夜の約束を取り付けたから、仕方なく彼女から離れて仕事場へと戻った。
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 744人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちな
| 作成日時：2023年7月10日 21時
