だから、言ったじゃん。Ⅶ (ページ13)

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263.動かないけど、調べておく。ページ13

▽

オッパ達は、トップアイドルだから。
面倒事はそれなりにある。
まぁ、仕方ないよね？

「Aから連絡くるなんて珍しいな。」

ニコニコ顔でそう云うジョンウ。
あるカフェに彼を呼び出した。
二人で窓際の席に座る。

「うん、ジョンウに聞きたいことあって…」

そう言えば、彼はニコニコ顔のまま、

「彼氏と別れた？俺は未だにフリーだよ？」

なんて冗談を言う。

「ジョンウ？」

「ごめん、調子に乗りました。…で？聞きたいことってなに？」

「ソロアイドルのソナって知ってる？」

「あぁ。知ってるよ。ウジンが連れてきた子で…。」

流石、ジョンウは情報通だ。
ソナは私と同じ年のヨジャアイドルで、デビュー曲をオッパが手掛けたらしい。
デビュー曲を手掛けたからか、仲良くしていたみたいで、オッパは調子に乗らせたと言っていたけど、ジョンウからの情報でも、彼女はちょっと我儘、らしい。
その我儘がどのくらいかによって、色々変わるかと思うんだけど…。

「最近じゃウジンも手を焼いてる。なんだっけ？あぁ、"私にはBTSのオッパ達がついてる〜"って。」

「ワォ。オッパ、やらかしてんじゃん。」

「ウジンも俺達もどーしようかって話が上がってる。ソナ程度のアイドルなんて代わりが居るしさ。」

「相変わらずシビアね。」

「まぁね？ソレがこの業界でしょ？」

「ん〜、そっかぁ。」

「Aはどうするつもり？」

「今はまだ、動かないかな。」

「へぇ、そりゃまたなんで？」

「オッパが自分達で何とかするって言うから。」

「ふ〜ん。Aは相変わらず、優しいね。」

ニヤニヤと笑うジョンウにため息をつく。
この判断が優しいのかは、わからないじゃない？
本当はスタッフ総出でさっさと問題解決したほうがオッパ達のためになるかもしれない。

「とりあえず、何かあったら声かけて。いつでも協力するから。」

ジョンウはそう言うとテーブルにおいていた私の手を握った。
彼が私の手を握る意味がわからないけれど？

「うん、頼りにしてるよ。宜しくね。」

言葉ではそう言いつつ、彼の手をやんわりと退かした。

「つれない！でも、頼られるのは嬉しい！」

そんな風に呟いてる彼にため息を付いて、店を先に出た。
店を出て歩き出して暫くしたら腕を引かれ、薄暗い路地に連れ込まれた。

え、なに？
何かに巻き込まれた？
こんな昼間っから？

…