だから、言ったじゃん。Ⅶ (ページ1)

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251.おやすみの前にページ1

▽Joshua

ユンギさん、狡いなぁ。
血を分けた兄妹だからって。
ARMYに認められてるからって。
Aと二人きりでディナーに行くとか…。
Aのことだから撮られることはないとは思うけど、撮られたとしても兄妹だから怖くないよね？

僕だってAと外でディナーしたい。
スタッフだった時だって、韓国で二人っきりでデートできなかったのに…。

Aったらそんな嬉しそうな弾んだ声だしちゃってさ。
そんな風にユンギさんとのディナー報告されたらさぁ、良いなぁ、羨ましいなぁ。って思っちゃうよね。
Aが生まれた時から傍に居て、今も傍に居られるユンギさんに嫉妬してしまう。
あぁ、でも、兄じゃ、Aを恋人に出来ないや。
あんなことやこんなこともできない。
ん〜、悩ましい。

楽しげなAが可愛いのにそこに居られなかった残念さで、だんだんと眉間にしわが寄る。
そんな僕にAは気づくわけがない。
だって電話だし、不機嫌な声を出さないように注意してるし。
そう思っていた。

『ジス？』

「ん？」

『オッパと行ったお店、お取り寄せメニューあるから、今度一緒に食べようね？』

「っ！うん。」

僕の不機嫌に気づいていないはずのAからの提案に即答してしまった。

お取り寄せメニューか。
デートの気分だけでも味わえるかな？
どのみち外に行ったらベタベタ出来ないし、家ならベタベタし放題だもんねぇ。
僕得なのはお取り寄せかなぁ。

「楽しみだね〜。」

『そうだね、じゃあ、またね』

「うん、おやすみ」

『おやすみ』

そう言って電話を切った。
寝る前のちょっとした時間。
本当は毎晩彼女を抱きしめて寝たいけど、それはできないから仕方なく時間がある時は電話することにした。
一日一回、声だけでも聞きたいって我儘言った。
Aは半ば呆れたように了承してたけど、あの時の自分、Good Jobだよ。
もうさ、Aとの関係において、格好つけたり、なりふりかまってなんていられないよね。

僕はこれまでの人生で学習したんだよ。

素直に勝るものはない。
自分の気持ちは素直に言葉にしないとダメだって、ね。

最愛のAにおやすみって言ってもらえたから、今夜もぐっすり眠れそうだ。

…