だから、言ったじゃん

06.後悔 ページ6

▽Woozi



メンバー皆がAに精神的に頼っていることなんてわかってたんだ。
さほど年齢の変わらない男達が13人居るから、ちょっとしたことで、揉める。
我が強いのも、まぁ、チームとしては個性があって良いこと、だったんだけどね。
円滑に回してくれる人がいなければ、俺達は、個性をぶつけ合い、疲弊するだけ。
Aは、俺達のために会社が用意してくれた人員で、俺達とずっと一緒に居てくれて、メンタルケアもしてくれた。

男なんて勝手だからさ。
彼女の気持ちはまるっと無視して、自分の気持ちを押し付けて…。
それでも、Aは受け入れてくれていたから、俺達は、調子に乗ったというところだろうね。
どんなに八つ当たりしても、離れていかないって、勝手に思っていたんだ。
彼女は、いつだって俺達を最優先にしてくれていたから。

Aは、外国籍のメンバーを気にしてくれていて、シュアヒョンやジュナやミョンホ、ボノナ、彼ら4人は彼女に懐いていた。
特にシュアヒョンは、彼女と、いつの間にか付き合っていて…。

本当は俺がフォローしなきゃいけないところを何度も彼女がフォローしてくれて、俺はメンバーのフォローの心配をしなくて良くなった。
偶に、メンバーが八つ当たりというようなことを彼女にしているのを見かけて、その度にメンバーを諫めるだけで、済んでいたのは、彼女が居たから、だろうな。

あの時、メンバーは、態度も悪かったし、彼女に言ってはいけないことを口にしたんだ。

シュアヒョンなんて、あの、なんだっけ？化粧臭いスタッフに"ジス"と呼ばれていたし、ハニヒョンは、" Aが自分より美人は嫉妬でやめさせてるって噂"なんてそんな噂なんてないし、"俺らの専属辞めてもらうよ？"と言うウォヌの言葉だったのか、 "僕達はソユンヌナが居ればいいしさ。"というジュンの言葉だったのか。
俺にはわからないけれど、彼女の瞳からキラキラした光が消えたのを見た。
いつも俺達を心配してくれていた優しい色がその瞳から消えた。
視線を交わしたミョンホと"不味い"って思って、声をかけようとしたのに、話は聞いてもらえなかった。
そんなこと、始めてだったから。
彼女が有給消化に入って、消化後にやめるのは、なんとか阻止したい。

ただ、彼女のプロフィールだとか、スマホの連絡先だとか、住んでいるところだとか、個人情報は、会社側は教えてくれなかった。





…

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