だから、言ったじゃん

15.どこにもやらない ページ15

▽Yoongi



「わぁ、ナムオッパ、ホビオッパだぁ」

妹よ。
俺の帰宅より、此奴等の訪問を喜ばれると、兄は寂しい。

「オッパ！お帰り。二人を連れてきてくれてありがとう。」

あぁ、妹よ。
…可愛い。
久しぶりにお前のそんな笑顔を見た。
思わず抱きしめる。温(ぬく)い。

「オッパ？眠いの？」

慌てる妹に抱きついていたら、

「ヒョン、お疲れですね？」

ナムに引き剥がされ、部屋に連行された。

「A、久しぶり。飲み会しよ？」

ホソクよ。
兄の前で堂々と妹に触れるな。

「オッパ、自分で歩こうね？」

ナムに引きづられる俺を残念な目で見るA。
結局、俺はナムに引きづられ、酒を持ったホソクが、我が物顔で、リビングへと進入するのを阻止できず…まぁ、もともと、そのつもりだったけどな。
そんなこんなで始まった飲み会。

「A、綺麗になったね。」

ナム、さり気なく妹を口説くな。

「えへへ。褒められちゃった。嬉しい。」

そう言って、ニコニコ笑うA。
本人には全然伝わってないけどな。

「でもさ、A、いつの間にかお酒飲める年齢になっちゃって…。」

ホビ、お前は、どの立場だ？
しかも、もう酔ったのか？
目がウルウルしてるぞ。

「あはは、ホビオッパ、アッパみたいね。」

と、笑う妹。

「酒、飲めるのか？」

俺がそう聞けば、

「ん〜、成人して、オッパと飲んだ時以来だからなぁ。」

首を傾げて答える妹。

「忙しかったし、お酒飲んで次の日、動けないと困るだろうから、禁酒してたよ。」

ちょっと沈んだ顔をする妹の頭を撫でた。

「そっかぁ。じゃあ今日はいっぱい飲もうね？」

ホビの言葉に嬉しそうに笑うA。

あぁ、お前はいつもそんなに我慢してたんだね？

俺とナムとホビとA。
事務所の初期メンだ。
今、あの時誓ったように、俺達は売れて、やっとお前を取り返した。
もう、どこにもやらない。
お前は俺達の傍に居ろ。
もう、誰にもお前を傷つけさせない。



▽



「あれ？オッパ、寝ちゃった？」

「ユンギヒョンは、一日の大半寝てるからね。今日は仕事してたし、タイムオーバーかな？」

「ホビオッパ…そうなの？猫？うちのオッパ、猫だったの？」

「いや、猫じゃないと思うけどね。ちゃんと人間だよ。」

「そっかぁ。二人共、オッパの面倒を見てくれてありがとうね。」

「ヒョン、妹にそう言われちゃうんだ。」

「ふ、昔に戻ったみたいだな。」


お前ら、俺は起きてる…ぞ？





…

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